ヤクルトスワローズから戦力外通告を受けてプロ復帰を目指す中山翔太さんが2023年12月27日放送の「プロ野球戦力外通告」(TBS系)に出演した。SNSでは、中山さんの妻・愛由美さんの献身的なサポートが感動を呼んでいる。
中山さんは履正社高校、六大学野球で活躍するなど「怪力スラッガー」として期待され、18年にドラフト2位でプロ入りを果たした。順調な活躍を続けたが、21年に極度の打撃不振に陥り22年に戦力外通告を受けた。
「私なりの覚悟でした。結婚するっていうのが」
中山さんと妻の愛由美さんが結婚を決めたのは、戦力外通告を受けた後のことだったという。中山さんは愛由美さんにプロ野球選手として試合に出場する姿を見せたことがないとして「ホームランとか打ってるところを見せたい」と語った。
中山さんは23年春、トライアウトを経て独立リーグの熊本・火の国サラマンダーズ入り。愛由美さんは東京で働いていたが、中山さんとともに熊本へ移住したという。
愛由美さんは結婚を決めた理由について、「辛いこと(戦力外通告)があったけど、結婚といういいことで『頑張ろう』という気持ちになれるかなと思いましたし、私なりの覚悟でした。結婚するっていうのが」と振り返った。
独立リーグでのプレーを再開するも、急激な環境の変化に対応できずスランプに陥ってしまった中山さん。結果が出ず焦る中山さんに、愛由美さんは「私も張り裂けそうな思いもあったし、何も言ってあげられないんですよ。アドバイスもしてあげれないとか......」と心を悩ませていたという。
不振にあえぐ夫のため、愛由美さんは中山さんの全打席をチェックし、試合ごとのメモを作成することをはじめた。細かい打席内容に加え「セカンドゴロだったけど、ふたつ前の振りが良かった!」などと感想も添えた。
中山さんは、愛由美さんのアドバイスについて「『昨日とここ違うよ』とか言ってくれるようになって、それを本当にやったらいい方向にいってるんで。一番のバッティングコーチみたい」と微笑んだ。
硬球が当たってできた痛々しいアザも
メモだけでなく、愛由美さんは練習でもサポートを見せた。バッティングの様子を動画に収め、気になる点を挙げアドバイス。全くの未経験ながらインターネットで打ち方を学び、守備練習のノックも愛由美さんが担当した。
「できるだけ同じ経験をしようと思って。ノックもできる限り頑張って打ったり、バッティングも一緒に見て『ああじゃないか、こうじゃないか』って。一心同体で頑張れるっていう意味ではいいのかな。私なりの支え方なのかなと思います」と語った。
2人は中山さんの実家に同居し、トライアウトまでの日々を過ごしたという。
坂道での走り込みやストレッチなどのトレーニングも2人で行い、愛由美さんの腕には硬球が当たりできたという痛々しいアザもあった。愛由美さんは「痛いなぁと思ったらアザになってて。でも頑張ってる証だな」と笑顔を見せた。
合同トライアウトで中山さんは見事本塁打を放ち、愛由美さんは声をあげて喜んだ。
試合終了後、スタンドから「中山さーん!」「いいぞー中山! 戻ってこい!」とエールを送るファンの声を聞いた愛由美さんが涙を流す姿もあった。
トライアウト後どこからも連絡が来ない日々が続く中、2人は「時間が経つのが遅いなぁ」「まだ来ないのかな」などと不安な胸中を覗かせた。
熊本のアパートを引き払う準備を進める中、とうとう中山さんの電話が鳴った。24年から2軍に参入する「オイシックス新潟アルビレックスBC」からのオファーだった。
「ぜひうちでプレーしてくださいってことだったんで」と伝えた中山さんに、愛由美さんは笑顔を堪えきれない様子で「新潟? 寒い?」。夫婦でグータッチを交わし喜びを分かち合った。
「中山選手はあの奥さんと結婚出来た事が、人生大勝利でしょ」
X(旧ツイッター)では、愛由美さんの献身的な支えに「中山の奥さん」がトレンド入りするなど大きな注目を集めた。
「戦力外通告見てるけど中山の奥さん人間出来すぎてるわ! 泣いた。素晴らしい」
「中山翔太選手の奥さん長女っぽい、、この奥さんが絶対に幸せになってほしくて泣いた」
「中山の奥さんかわいい上に打席研究までして切磋琢磨してノックまでやって上げて最強の奥さんやん」
「中山選手の奥さん、新潟からのオファーの電話終わった後即『寒い?』って嬉しそうに言うのめちゃくちゃ感動した。色んな思いが詰まってた」
「一番は中山選手の奥さん凄いだわ。もう、中山選手はあの奥さんと結婚出来た事が、人生大勝利でしょ」
「やり方が正解かとか抜きにして、中山選手の奥さん献身的で素晴らしくて奥さんのファンになったわ」