企業のミッションやビジョンが社員一人ひとりに浸透
J‐CASTニュースBiz編集部はオープンワーク広報に話を聞いた。
――30位までのランキングを見ると、全体的に外資系やコンサル会社、IT関連会社などが目立ち、日本の巨大メーカーや5大商社など、誰でも知っている有名企業が見当たりません。目につく著名企業といえば、リクルートや中外製薬くらいです。
やはりこれは、日本のビッグ企業は新卒一括採用や年功序列の傾向が強く、中途入社者が伸び伸びと能力を発揮する環境に乏しいということでしょうか?
オープンワーク広報 今回、外資vs日系での比較は行っていないため、一概に申し上げることはできません。上位30位にランクインしなかったものの、集計対象のなかには自動車メーカー、ビール会社、電機メーカー、大手商社などの日系大手企業が含まれます。
上位30社から漏れてはおりますが、比較的スコアが高い日系大手企業もございます。今回のランクイン企業に関しては、社員の入れ替わりが比較的激しいコンサルティング企業や、経験者採用に積極的な企業が多い傾向が見られ、中途社員の受け入れ態勢が整っていることが推察されます。
ご参考までに、当社が今年(2023年)6月に発表した「40~50代の中途入社者が評価する『育成環境が優れた企業ランキング』」では、2位の中外製薬をはじめ4位に野村證券、7位に三井住友銀行などがランクインしております。
――30位までのランキングを見ると、多くのベンチャー系企業が入っているのが目につきます。特に4位の「キャディ」は、東京都台東区のモノづくりに長けた中小企業と、大手企業の部品調達を橋渡しする、地域産業興しのユニークな会社です。
また、静岡県掛川市の「技術者集団」企業である「リツアンSTC」も26位にランクインしました。世界にブランドを発信する6位の「TOKYO BASE」もそうですが、こうしたモノづくりにこだわる企業が、多くランクインした理由はどこにあると考えていますか。
オープンワーク広報 ご指摘の3社の共通点として、「人事評価の適正感」スコアの高さが挙げられます。特に、「リツアンSTC」は4.5点と高評価です。公平に評価をしていることで、コトに集中できるというのは士気の高さにつながるのではないかと推察されます【図表2】。
3社とも「人事評価の適正感」が比較的高い理由の背景として、企業文化や働きがいのクチコミ欄に、「実力主義」といったキーワードが目立つ傾向が見られたことが挙げられると思います。
――今回の調査で明らかになった、中途入社者から見て「士気が高い」企業や業界の特徴には、ズバリ、どんなことが挙げられるとお考えですか?
オープンワーク広報 業界別では、上位3社をコンサル会社が占めました。ランクイン企業の「組織体制や企業文化」からみる特徴としては、企業のミッションやビジョンが社員一人ひとりに浸透し、社員に一体感があることが挙げられます。
また、評価基準が明確であることに加え、上位30社の「人事評価の適正感」スコアも軒並み高評価であることから、納得感のある評価制度となっていることがうかがえます。「成長環境」から見る特徴としては、上位30社は「20代成長環境」スコアも高く、スピード感を持ってさまざまな仕事に挑戦できる機会が豊富であることが傾向として見られました。