百貨店大手・高島屋がオンラインショップで販売したケーキが、形が崩れて購入者に届いた問題。配送先によっては「大破」した状態になった例が見受けられ、インターネット上では落胆や非難の声が広がった。なかには2011年1月初め、当時運営されていたクーポン購入サイト「グルーポン」で販売したおせち料理が、宣伝されていた中身と比べてお粗末すぎる品が購入者に届いた一件を思い出す人も。
高島屋広報は2023年12月25日、J-CASTニュースBizの取材に、ケーキがどの段階で崩れていたかなどを含め、「原因については調査中です」と回答した。どの段階に問題があったのか、流通ジャーナリストの渡辺広明氏に分析してもらった。
必ず行われているはずのプロセス
該当の品は、横浜市のフランス料理店「レ・サンス」が監修したストロベリーフリルショートケーキ。別の菓子メーカーが受託製造し、冷凍状態で購入者に届けられていたが、何らかの理由で形が崩れていたとの報告が相次いだ。
渡辺氏は「今回の報道などから推察できること」と前置きしつつ、冷凍クリスマスケーキが崩れてしまった理由として考えられる点を挙げた。崩れた状態のままケーキが大量に届いたのは、製造、出荷、個別配送のどこかの段階で必ず行われているはずの「抜き打ち検品」が実施されていなかったのではないかと話す。
今回のような配送が必要な商品は、同一商品でも毎年テスト製品を作り、配送先で開封して崩れていないかという実験を行うという。この点、12月25日付「日テレNEWS」で、「レ・サンス」のオーナーシェフ・渡辺健善さんが「5年ほど前から同じ形で同じ工場に製造委託して出しているもので、冷凍で配送するのに問題ないか何度も実験した。これまで、問題は起きていなかった」と証言している。