新NISA「一括投資」と「毎月投資」どっちがお得? 大論争に軍配「最強投資術」を株式専門家に聞く

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来年前半、米国経済は混乱に陥る?

――来年(2024年)1月から新NISAが始まるわけですが、ズバリ、1月からS&P500にバーンと一括投資するといいですか。来年の米国経済、あるいは世界経済に不安はないでしょうか。

井出さん 来年の前半は、米国経済の先行き不透明になりますから、分散投資のほうがいいでしょう。過去2年間、高金利の金融引締め政策を続けてきた米国中央銀行のFRB(連邦準備制度理事会)が来年金融緩和に転じ、年内に3回利下げすると見られています。日銀も来年前半に利上げ(マイナス金利解除)すると予想されています。金融政策の大転換の時は、株式市場は混乱を伴うものです。

市場の大半はFRBの最初の利下げは3月に行われるだろうと見ていますが、もし外れた場合は市場の混乱が避けられません。それを見届けるまで様子を見て、一括投資を控えたほうがいいでしょう。

1月に「決め打ち」をする必要はありません。「一括投資」で勝負するなら、マーケットが落ち着いてきた来年半ば以降でも遅くないかもしれません。

また、来年は米国経済の景気が減速するのは間違いありません。経済を支えてきた個人消費にかげりが見えるなど、減速の兆候が表れています。問題は減速が緩やかなソフトランディングになるか、激しいハードランディングになるかですが、現時点では6対4くらいの可能性だと思います。いずれにしろ、来年は2002年や2008年ほどひどくはならないでしょうが、その再来はあり得ます。

――それほど先行きに不安があって、米国株のS&P500に勝負をかけて大丈夫なのですか。

井出さん FRBが金利を引き下げるのは、株価にとっては追い風です。また、企業の業績は好調です。特に、世界中から優秀な人材が集まるテスラ、エヌビディア、マイクロソフトなどに代表される米国のハイテク産業がそう簡単に弱体化するとは考えにくいです。高いイノベーション力を背景に、新たな成長企業や産業が登場すると考えるのが自然でしょう。
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