漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2023」決勝が2023年12月24日、ABCテレビ・テレビ朝日系で放送され、「令和ロマン」が優勝を飾った。
「慶應が私なんかを輩出する訳がないでしょ!!私は中退です!!」
令和ロマンは結成5年8か月で、決勝進出は初。03年優勝のフットボールアワー(結成4年8か月)に次ぐコンビ歴の短さでの優勝となった。さらにファーストラウンドでトップバッターからの優勝は、01年の第1回の中川家以来22年ぶりだった。
様々な偉業で注目を集める中、SNSでは「甲子園に続き、お笑いでもついに慶應コンビがM-1の天下を取ってしまったね」「M-1、令和ロマンが優勝か。慶應が無双した年だったな...」など、令和ロマンが2人揃って「慶應義塾大学出身」ということも話題になった。
令和ロマンは「魔人無骨」という名前のコンビだった19年4月、「慶應塾生新聞」のインタビューに揃って登場し、同大のお笑いサークル「お笑い道場O-keis」出身ということや、高比良くるまさんが同大文学部を中退してお笑いの道に進んだことなどを明かしていた。
高比良さんはM-1決勝直前の23年12月22日、X(旧ツイッター)でも
「私が慶應を卒業したという誤情報が回ってるけど、慶應が私なんかを輩出する訳がないでしょ!!私は中退です!!しかも尖ってたとか、お笑いに熱中したとかじゃなく、勉強についていけなかったから、という最弱の中退!!」
と自虐していた。
「ミスター慶應」グランプリのイケメンもお笑いの道に
令和ロマンの他にも、近年活躍するお笑い芸人には慶大出身者が目立つ。
21年から3年連続でM-1決勝に駒を進めた「真空ジェシカ」の川北茂澄(しげと)さんは総合政策学部卒。ちなみに相方のガクさんも青山学院大学経営学部卒の高学歴コンビだ。
19年の「NHK新人お笑い大賞」で優勝(ラフレクラン時代)、22年には「キングオブコント」で準優勝に輝いた「コットン」の西村真二さんは商学部を卒業。4年生時には「ミスター慶應コンテスト」でグランプリに輝いた。コットンはこの23年番組出演が前年から急上昇(22年42本→23年277本/関東)するなど活躍が目立ち、ニホンモニター調べの「2023ブレイクタレント」の2番手に挙げられている。
おいでやす小田さんとのユニット「おいでやすこが」で、20年のM-1準優勝に輝いたピン芸人のこがけんさんは商学部卒。「ゾフィー」を23年11月に解散し、12月に元AKB48の松井咲子さんと結婚したことでも話題となった上田航平さんは法学部卒だ。21年の「キングオブコント」で優勝した「空気階段」の水川かたまりさんは、法学部に入学するも岡山弁をイジられ3か月で中退したと、23年7月放送の「A-Studio」(TBS系)で明かしていた。
22年3月に芸人を引退した夢屋まさるさんは、慶應高校生時代にピン芸人としてデビューし、慶大経済学部在学中に「パンケーキ食べたい」のネタで一世を風靡した。
「慶應芸人」の先駆者としてはともに経済学部卒のふかわりょうさん、「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんがいる。売れ始めた頃には「高学歴」ということで注目されたり、イジられたりといったこともあったが、お笑い芸人の「慶大出身」という肩書きが珍しいと思われなくなる日も近いかもしれない。