「ビッグモーターでダイハツ車買ってENEOSで給油するのがトレンドらしい」――。2023年12月20日に自動車メーカーのダイハツ工業が、車両の認証試験での不正行為発覚のため、全車種の出荷を停止すると発表したことで、X(旧ツイッター)では、23年に車関連の企業の不祥事が相次いだことが話題となった。
J-CASTニュースは21日、「ビッグモーターで購入しENEOSでオイル交換したダイハツ車」に乗る人に話を聞いた。
ダイハツ車を「なし崩し的」にビッグモーターで購入
中古車販売店のビッグモーターは7月に発覚した保険金不正請求問題を皮切りに、社員へのパワハラ、街路樹の枯死・伐採問題など、さまざまな不祥事が明るみに出た。12月15日には警視庁と神奈川県警が前副社長の自宅などを家宅捜索したことも報じられている。
ガソリンなど石油元売り大手のENEOSホールディングスは19日、代表取締役社長が酒に酔って女性に抱きつくという不適切行為があったため、同日付で解任したと発表した。懇親の場に同席していた副社長は辞任勧告に基づき辞任、常務執行役員は3か月間の報酬減額処分になるという。
車関連企業の不祥事が続いたことから、Xでは「ビッグモーターでダイハツ車買ってENEOSで給油するのがトレンドらしい」などとする皮肉が話題になっている。
2020年にビッグモーターで、不正の対象車種であるダイハツ・ミライースを購入したというXユーザー「ファズ」さんは、J-CASTニュースの取材に「こんな事あるんだなあとは思いました」とし、「ENEOSとダイハツについては寝耳に水」だったが、ビッグモーターに関しては不祥事発覚前から信用を失っていたと明かした。
ダイハツ車を購入した理由は、「いくつか車種の候補があり、そこからダイハツ車に決めたのには2つの理由があります」として次のように説明した。
「1つは、我が家で自家用車としてダイハツ車を利用していたことです。信用があったとかではないのですが、『実際今壊れてないしダイハツでええんちゃう?』ぐらいの認識がありました。
もう1つは、近所に個人経営のダイハツ車の整備工場があったことです。経営者の方とは個人的にも親交があったので、何かあってもすぐ修理に持ち込める、というのもダイハツ車を選んだきっかけとなりました」
ビッグモーターで購入することになったのは、「なし崩し的」だったという。
「ミライースあたりを買おうと決めたあと、市内のビッグモーターにミライースの中古車があるというのを中古車検索サイトで見つけて、とりあえず母と2人で見に行きました。しばらく車を見ながら話を聞いていたのですが、見に行くだけのつもりがなぜか此方が買うという体で話が進んでおり、なし崩し的に購入することになりました。この時点で母は不信感を持っていたと言います」
ENEOSについては、日常的に利用しているわけではないが、8月にオイル交換と給油を行ったといい、「勤め先の周辺でオイル交換が出来るところを探していて1度入った、だけとなります。普段からは特にどのガソリンスタンドを使うとかは意識しておらず、正直に言うと値段しか見ていませんでした」とする。
「ビッグモーターに関しては本当にざまあみろ」
各社の不祥事の報道を見て利用を控えるなどしたかを尋ねると、ダイハツについては控えると思うとし、ENEOSについては気にしないと答えた。
「ダイハツ車に関しては、まず現在車を購入することが物理的に難しくなってはいるのですが、今後は購入を控えると思います。
ENEOSに関しては取り沙汰された不祥事が技術的なものでは無いこともあり、あまり気にしないと思います。仮に今後ガソリンが切れてきた時にENEOSが左側にあったら普通に利用すると思いますが、その際に今回の不祥事が一瞬頭を過ぎる程度でしょうか」
ビッグモーターについては、「去年の夏(2022年9月?)に車検のため車を持ち込んだ際に16万円請求された時から完全に信用を失っていた」とし、22年12月に鹿を轢いてしまった際には「ビッグモーターではなく保険会社からご紹介して頂いた個人経営の自動車整備工場に車の修理を依頼しています」という。
なお、車を購入したビッグモーターの店舗は閉店して別の店舗に統合されており、その店舗も「今後利用することは考えていません」と明かした。
23年は利用している企業が次々と不祥事を起こしたことになるが、それについての感想を求めると、次のようにコメントしてくれた。
「一言で言えば、こんな事あるんだなあとは思いました。ENEOSとダイハツについては寝耳に水でしたが、ビッグモーターに関しては本当にざまあみろと思いました。1つ懸念しているのがダイハツの整備工場を経営している知り合いの生活なのですが、現状リコール等の情報が出ていない以上は私も買い換えるまではこの車を利用しますので、まあ大丈夫かなあとは思っています」