ダイハツ「不正行為」は他人事でないかも 調査報告書に記された現場の悲哀とプレッシャー

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2015、22年に不正増加が突出

   1つめの「開発スケジュール」の問題について、報告書はある従業員がアンケートの自由記載欄に記入した文言を引用している。

「総じてトヨタの期待に応えるためにダイハツの身の丈に合わない開発をリスクを考えずに推し進めたことが大きな要因だと思います」

   ダイハツは現在量販車を手掛ける日本最古のメーカーだが、1992年以降はトヨタ出身の社長がほとんどを占め、1998年にはトヨタの連結子会社、2016年には完全子会社化されて上場廃止となった。2013年には21年ぶりの生え抜きの三井正則社長が就任したが、2017年6月には再びトヨタが奥平総一郎社長を送り込み、現在に至っている。

   なお、調査委員会が認定した最も古い不正行為は1989年のものだが、不正行為は2015年と2022年に突出して増えている。増加要因として調査報告書は、ダイハツが2011年9月に販売開始した「ミラ イース」の開発を大きな成功体験として、短期開発の促進を加速した影響を指摘している。

   時期から考えると、「ミラ イース」の成功はトヨタ出身社長、2015年の不正増加はダイハツ生え抜きの社長の下で行われたということになる。現場が上司のプレッシャーに晒されたように、生え抜き社長も親会社トヨタのプレッシャーを感じたのだろうか。

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