「トラブル起こしたが実績は十分」山川穂高のソフトバンク移籍 こんな人材があなたの職場に入ったら?

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   プロ野球・山川穂高選手が2023年12月19日、FA権を行使して福岡ソフトバンクホークスに入団した。山川選手にとって今年は疑惑に揺れた1年であり、やっとの思いで新天地にたどり着いたことだろう。だが、野球ファンの視線は実に厳しい。

   山川選手は5月、強制性交の疑いで書類送検され、8月には嫌疑不十分で不起訴になった。FA宣言に際して「自分自身を戒めることとなるのではないか」とコメントし、古巣の埼玉西武ライオンズのファンから非難を浴びた。また移籍先のソフトバンクファンの中には、疑惑が出たこと自体を嫌う人もいる。何よりも一番気をもんでいるのは、新天地のチームメイトかもしれない。

   実力者だけど、トラブル歴あり――こんな山川選手のような人材があなたの職場に入ってきたら、どう活用するのが「最適解」なのか。

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トラブルメーカーは「どんな職場にも少なからずいる」

   山川選手は、ソフトバンク入団会見の時も話題を巻き起こした。あごにヒゲを蓄えていたのだ。これを見た人からは、ヒゲを剃るべきだとの声が上がっていた。通常の会見とは違うだけに、いささか「空気が読めていない」感が否めない。今後すんなりチームに溶け込めるかどうかは、現時点では不明だ。

   ワークスタイル研究家の川上敬太郎氏に話を聞いた。まず、世間一般の事例として「職場を乱す人」は、「どんな職場にも少なからずいるもの」だという。そのうえで、「トラブルが法に触れるような場合を除き、トラブルメーカーも含めて組織全体の成果を最大化させるための人材活用が求められます」。

   該当の人物がどれだけ大きな成果を出したとしても、トラブルを起こすことでチームの和が乱れるなど組織全体の成果が下がっては意味がないと川上氏。その場合は、組織全体への影響が少ないポジションに配置して、成果の押し下げをできる限り食い止める必要がある。

「ただ、そのままでは本人の未来が閉ざされてしまいかねないので、並行して新たに活躍できる可能性を見いだせるよう寄り添い、導いてあげることも大切だと思います」

   半面、チームの和が乱れたり、トラブル処理に手間がかかっても、トータルで組織全体の成果が高くなると見込める場合はどうか。川上氏は、その本人が最も能力を発揮できるポジションで成果を出してもらいながら、周囲の人間にできる限りストレスがかからないよう配慮したり、ある程度のトラブル対応を覚悟して予め備えておくことになるとした。

組織全体の成果への影響が分かれ目

   「時折トラブルは起こすが、実力は申し分ない」とのウワサがある人物が、自分の職場に配属された。川上氏によると、対処法は基本的には「職場を乱す人」と同じだが、ウワサの段階では、実際に働いてもらわないと分からない。

「その人物が組織全体の成果を最大化させる可能性を秘めている以上、リスクは覚悟の上で、一度仕事を任せてみる必要があります」

   実際に起用して問題を起こさないのであれば、前職の環境が合わなかった、上司との折り合いが悪く、実態とかけ離れた悪評が立っていたとの可能性があると指摘。逆に、時折トラブルを起こすのであれば、「職場を乱す人」と同様に、トータルで組織全体の成果への影響が本人への対応の分かれ目になると話した。

   最後に、「お世話になった前職をさっさと退職し、現職で入社した際の態度もイマイチ空気が読めていない」人材の場合。川上氏は、職場は仕事するために集まる場所である以上、人として不義理があるかどうかや空気が読めないかどうかは「いったん横に置くべき」という。その上で、

「ひょっとすると、これまで人との接し方やコミュニケーションの仕方を指導してくれる人がおらず、未熟なだけということもありえます。その場合は、当面は手間がかかりますが、厳しいことも指摘しながらしっかりと育てていくことで本人も成長し、会社にとっても戦力として期待できるようになり、Win-Winになっていくかもしれません」

   即断は禁物との考えだ。ただ、再三指導しても改善が見られず、組織全体の成果にマイナスの影響を及ぼすようであれば、「どこかで見切りをつけて別の道を探してあげないと、本人にとっても会社にとってもLose-Loseになってしまいます」。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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