組織全体の成果への影響が分かれ目
「時折トラブルは起こすが、実力は申し分ない」とのウワサがある人物が、自分の職場に配属された。川上氏によると、対処法は基本的には「職場を乱す人」と同じだが、ウワサの段階では、実際に働いてもらわないと分からない。
「その人物が組織全体の成果を最大化させる可能性を秘めている以上、リスクは覚悟の上で、一度仕事を任せてみる必要があります」
実際に起用して問題を起こさないのであれば、前職の環境が合わなかった、上司との折り合いが悪く、実態とかけ離れた悪評が立っていたとの可能性があると指摘。逆に、時折トラブルを起こすのであれば、「職場を乱す人」と同様に、トータルで組織全体の成果への影響が本人への対応の分かれ目になると話した。
最後に、「お世話になった前職をさっさと退職し、現職で入社した際の態度もイマイチ空気が読めていない」人材の場合。川上氏は、職場は仕事するために集まる場所である以上、人として不義理があるかどうかや空気が読めないかどうかは「いったん横に置くべき」という。その上で、
「ひょっとすると、これまで人との接し方やコミュニケーションの仕方を指導してくれる人がおらず、未熟なだけということもありえます。その場合は、当面は手間がかかりますが、厳しいことも指摘しながらしっかりと育てていくことで本人も成長し、会社にとっても戦力として期待できるようになり、Win-Winになっていくかもしれません」
即断は禁物との考えだ。ただ、再三指導しても改善が見られず、組織全体の成果にマイナスの影響を及ぼすようであれば、「どこかで見切りをつけて別の道を探してあげないと、本人にとっても会社にとってもLose-Loseになってしまいます」。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)