年末年始は家でゆったり過ごし、忘年会や新年会と食べ過ぎ飲み過ぎで体が重くなりがちだ。ダイエットや体を鍛える目的でスポーツジムに入会したけれど、ついサボって会費がムダに。こんな経験をした人は、多いだろう。
どうすれば、無理なくジム通いが続くのか。「成功の秘訣」を、トレーナーに取材した。
「漠然としかゴールが決まっていない」に注意
スポーツ庁が2023年3月24日に発表した「令和4(2023)年度スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、20歳以上で週1日以上の運動・スポーツをする人の割合は52.3%、2021年から4.1ポイント減となっている(図1)。男女別では、男性が54.4%、女性が50.2%だった。
1日30分以上の「軽く汗をかく運動」を週2日以上実施し、1年以上継続している人の割合は、20歳以上の成人で27.2%と3割を切っていた。継続が難しいことが分かる(図2)。
一方、ベストアクティが2023年9月20日に発表した、ジム通いを続けるために「ジム・フィットネス選びで重視したポイント」の調査結果。トップは、「通いやすさ」が10代から60代まででトップになった。
「仕事帰りにジムに通っていたため、通勤経路の中で立ち寄りやすい場所を選びました(30代・女性)」
「家から近いと、多少めんどくさくなっても行こうという気持ちになるし、休みの日でも通えるから(30代・女性)」
「歩いてでも気軽に通える近距離にあると毎日や天候の悪い日でも通いやすいからです(50代・女性)」
などの意見が並んだ。
パーソナルトレーニング「SEQUEL」代表取締役の加藤竜一氏は、ジム通いを継続させるコツとして「明確かつ達成可能な目標がある」ことを挙げる。
「お客様の中には、ご自身では漠然としかゴールが決まっていないというかたがいらっしゃいます。こちらから、達成可能なゴール、そして1か月や2か月といった短いスパンで目標を設定します」
これらを一つひとつ着実にクリアすることで、利用者は長くジム通いを継続できているというわけだ。
立地や習慣化もポイント
また加藤さんは、「ジムの立地にこだわること」を強調した。自宅の近所や職場の近く、通勤途中でアクセスの良いジムでなければ、なかなか継続的に通うことができないと指摘する。これは、先述した「ベストアクティ」の調査結果で最多だった回答と重なる。加えて、ジムに行く日を固定するスケジュールを立てて習慣化させることもポイントだと加藤氏。
ダイエットなどの成功へのイメージも、明確に目標が定まっているほどつきやすいという。「食事でストレスを感じないように、バランスを見ながら食事を調整したり、『これなら続けられる』と思える食事法をトレーナーとともに見つけることが大切」とのことだ。