「日本での著作権は明確でなく、2次創作を扱うのは難しい」
「ミッキーは、その後デザインを変えるなどブラッシュアップし、それらの著作権はまだ存続しています。商標権には期限がなく、ディズニーやミッキーマウスといった名称は使えません。ミニーも同じで、必ずしも自由に使えるわけではありません。しかし、米国では、その影響は出るのではないかと思っています。限定的ではありますが、プーさんの映画と同じように、パロディなどの2次創作がこの後に出て来る可能性はあるでしょう」
日本では、著作権制度が米国と違っており、権利が映画にあるか個人にあるかなどによって、その期限について見方が違うと専門家からX上などで指摘されている。
田中弁護士も、そのことを指摘したうえで、こんな見方を示した。
「日本の著作権法では、30年ぐらい先にミッキーの著作権が切れるとの説のほか、すでに切れているとの説もあります。しかし、切れたともされたタイミングで、ミッキーを使った作品は出てきませんでした。4年前に、米ディズニー本社を訪問し、その知財戦略について聞いたことがあります。初期映画の使用はやむを得ないものの、その将来を見込んで準備していました。ディズニーでは、ミッキーを不注意に使わないよう目を光らせていますので、米国でパブリックドメイン化しても、すぐに偽物は現れないと思います。ミッキーを使った2次創作があふれ返ることもないでしょう」
その一方で、パブリックドメイン化を誤解した動きも一部で出るのではないかとの懸念も示した。
「うわさが出回って、きちんと理解をしないまま、著作権を侵害する使い方がされる可能性もゼロではありません。これまでに、ミッキーを巡る事件は聞いたことがありませんが、最後は、裁判所の判断になるでしょう。2次創作については、権利者が黙認するケースもありますが、権利侵害の可能性もありますので、ディズニーの場合は、コミケなどでミッキーの2次創作を扱うのは難しいと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)