「人と人とのお付き合い」を大事にする大阪商人
――なるほど。ところで、都道県別の交際費支出のランキング地図【図表2】を見ると、トップが大阪府で、2位奈良県、3位福岡県となっています。交際費の額の高いところは、近畿圏や西日本に集中しています。
大阪府は「いかにも大阪商人っぽい感じ」で納得がいきますが、奈良の2位は不思議です。また、企業が非常に多い東京が上位に入らないのはなぜでしょうか。
飯島さん 近畿圏が上位なのは、もしかしたら、大阪商人に代表されるように「人と人のお付き合い」を重視する文化が定着しているからかもしれません。奈良県が2位なのは、大阪府の隣にあるからでしょう。
建設業や家電業界など大阪の企業とは、元受けと下請けの関係にある企業が多く、お互いに持ちつ持たれつで、接待しあっているからと思われます。その関係は京都府や和歌山県にまで広がっています。
一方、東京都の企業は、関西の企業ほどベタベタした人間関係ではないのかもしれません。それに大企業が多く、従業員数も多いですから、社員ひとり一人にそんなに交際費を使われてはたまらないという事情もあるでしょう。ただ、それでも都道府県ランクでは7~8位です。
関東圏の企業は、全国に取引先を展開している企業が多いですから、近畿圏ほどではありませんが、交際費の支出ランキングは高めに出ています。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)