就職氷河期世代は老後がヤバそう 給料増えず貯蓄は少なく持ち家比率も低下

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失われた30年は「日本企業の人事戦略の古さ」のせい?

   生まれた年が数年違うだけで、人生が大きく変わってしまうなんて――。就職氷河期の前期世代に当たるIT企業勤務のAさんは、このレポートを見て「企業の採用方針を立てる人たちが愚かなんでしょうね」とうんざりした調子で言う。

「私たちの世代に被害者が多いことは言うまでもないんですが、ひとつ上のバブル世代にだって『被害者』はたくさんいるんですよ。だって、採用するときには大歓迎されたのに、40過ぎたら『採りすぎちゃって余ってる』といってどんどん放り出されているんですから」

   同期の人数が多くて仕事の機会を与えられず、後輩も入ってこないので人を育てる経験に乏しいバブル世代。ビジネスパーソンとしてのスキルが磨かれないまま早期退職を勧奨され、途方に暮れている様子は後輩社員から見ても惨めだという。

「その時々の景気に左右されず、毎年同じくらいずつ採用できなかったんですかね。それさえやっていれば、いまになって『余った』だの『足りない』だの言わなくて済んだはずじゃないですか。企業の採用方針が近視眼的なのが悪いんですよ」

   既存社員の解雇が簡単にはできない日本の法制下では、不景気で固定費の圧縮が必要になった企業は、新規採用の数で調整するしかないのも事実だ。しかし、そのことがもたらす社会的な影響をどこまで深く考えたうえで行ったことなのか。

   例えば少子化の加速は、企業の採用方針も大きく影響したに違いない。回り回って、企業の大事な市場も縮小してしまった。Aさんは「失われた30年は、日本企業の人事戦略の古さのせいとしか思えないし、社会問題は今後も拡大していく」と納得できない様子だった。

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