「『みどりの窓口』どんどん減っている 主要駅では大行列、帰省ラッシュやインバウンドにどう対応」。J-CASTニュースBizで2023年12月12日に掲載した記事だ。JR東日本では2025年までに、首都圏・地方圏それぞれ70駅程度にまで集約する方針で、記事では現状を紹介した。
この件に関して、取材していたJR東日本コーポレート・コミュニケーション部から回答が届いた。併せて「みどりの窓口」の減少に伴う問題点は何か、鉄道ライターに聞いた。
混雑駅で「案内社員の応援体制を構築」
J-CASTニュースBiz編集部とJR東日本コーポレート・コミュニケーション部のやり取りは、以下のとおり。
――2021年からJR東日本管内のみどりの窓口を集約していますが、ターミナル駅の窓口でかなりの混雑が見られました。これに対して、どのような対応方法をお考えですか。
JR東日本 首都圏を中心に、混雑が想定される駅や時期等には、状況に応じて、案内社員の応援体制を構築することにより、お客さまのご用件を予めおうかがいし、自動券売機のご案内及び操作をサポートするなどの対応を予定しております。
あわせて、引き続きインターネットやスマートフォンによるきっぷ購入の利便性をさらに向上していくこと等により、駅の窓口や券売機に立ち寄ることなく列車をご利用いただくよう取り組んでまいります。
――インバウンドの案内を担当する「駅たびコンシェルジュ」でも混雑が見られます。どのような対策を検討されていますか。
JR東日本 現在、インバウンドのお客さまが多い成田空港・羽田空港や山手線主要駅において、駅たびコンシェルジュの窓口数や営業時間を拡大するなどの対応に加え、みどりの窓口や券売機周辺で係員による案内強化を行っております。
しかしながら、Japan Rail Passなどインバウンドパスの引き換えに際しては、短期滞在ビザなどの必要事項確認のため一定の時間を要しています。
そのため、必要事項をあらかじめお客さま自身に入力いただくウェブを通じた引換証購入を慫慂(しょうよう)するなど、少しでも混雑緩和につながるよう努めております。
こうしたJR東日本の対応について、鉄道ライターの小林拓矢氏に聞いた。「不慣れな人にとっては、指定席券売機も『えきねっと』も、使いやすいものとはいえません」と、システムのユーザーインターフェイスについて指摘した。「えきねっと」とは、会員登録するとインターネットから新幹線などの予約ができるサービスだ。
複雑なネット予約「なんでもかんでもウェブは...」
小林氏は、こう続ける。
「JRのきっぷのシステムは複雑で、理解している人でないと指定席券売機を使いこなすのも容易ではありません。ネット予約も複雑化し、割引なども同時に表示されるため、利用者はどうやって使えばいいのかわからない。
このあたりの複雑さを解消できなければ、駅の窓口に人が殺到するという状況の根本的な改善にはならないのではないでしょうか」
外国人観光客に対しては、「案内強化は重要」としつつ、「ただ、なんでもかんでもウェブでやるようにするのは。ちょっと違うのではないでしょうか」と疑問視。海外からの訪日客の玄関口となる成田空港や羽田空港での対応にきちんと人手を割き、インバウンド対応をしっかりとやる必要があるとの主張だ。
「日本は『おもてなし』の国として世界にアピールしているところがあります。その国の代表的な鉄道会社で、窓口対応が混雑しているのは問題。とくに空港(の駅)で対応できるように、人手を増やしていただきたいと考えます」