上司の思わぬ言葉に目が覚めた!
Nさんの訴えは3時間にもおよび、上司のKさんは根気よく聴いていましたが、告げられた人事評価を変えてはくれません。そこで思い余ったNさんは、つい口走りました。
「Kさんは部下のこと、見てくれてないじゃないですか!」
「こんな状態では、仕事を続けられません!」
ついに、キレてしまったのです。
するとKさんは、静かに言いました。
「それは自分次第だ。仕事を続けられないと思うなら、仕方ないよ」
Kさんの意外な言葉に、Nさんはハッと我に返りました。会社を辞めるつもりはなかったものの、そういう言葉を発すれば、慕っているKさんなら慰めてくれるとばかり思っていたからです。
そして、自分はただ甘えていただけだったこと、周りがかわいがってくれることが仕事ができると勘違いしていたことに、やっと気づけたのです。
この日を境にNさんは変化し始め、「自分はまだ至らない。あれこれと欲張らず、任された仕事の責任が果たせるよう、これからは一歩一歩努力していこう」という姿勢に、切り替わっていきました。
ところが、追い打ちをかけるように、Nさんには営業部署から仕入れ部門へと異動辞令が出されます。これから気持ちを入れ替え頑張り直そうとの矢先に、三行半を突き付けられたようで大きなショックでした。
ただ、上司のKさんにもらった次の言葉は、心に残りました。
「視野を広げるためのいい機会、思い切り環境を変えるチャンスだ。新しいところで成果が出るように頑張ってこい。また一緒に仕事ができる日を楽しみにしているよ」