政府は2024年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに保険証の機能を付与した「マイナ保険証」に一体化する施策を進めている。一方で、マイナ保険証以外の保険資格確認方法がいくつかある。例えば現行の保険証使用を1年間延長して認めるほか、新しく「資格確認書」を発行する予定だ。
この資格確認書がどういうものなのか、調べてみた。
現時点だと発行だけで241億円強のコストに
総務省が明らかにしている、2023年12月10日時点のマイナンバーカードの累計申請件数は約9886万件。また、マイナ保険証登録数は約7178万件となっている。単純計算で、マイナ保険証に登録していない人は2708万人だ。また、日本の人口が1億2330万人で、うちマイナカードに申請していない人は、ここから申請件数を差し引くと、2444万人。つまり、現時点でマイナ保険証を「使えない」人は、全国で合計5152万人となる。直近ではこの人たちが、「資格確認書」の対象になろう。
資格確認書は利用者全員に無償で発行される。発行のコストは、厚生労働省が2023年8月24日に発表した「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」の資料に書かれている。1枚あたりの金額は、印刷製本費65円、通信運搬費84円、輸送費320円であわせて469円だ。
これを、仮に5152万人分作るとなると、241億6288万円。この人数は今後、変動していくだろうが、少なくとも今の時点ではこの金額がコストとして、のしかかる計算になる。