「業務時間外に上司から連絡」は無視していい? 緊急の対応求められても「つながらない権利」主張できるか

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   「働く人々が業務時間外の連絡を拒む『つながらない権利』が注目されるようになった」――。2023年12月12日付の読売新聞電子版は、このような記事を配信した。

   「つながらない権利」とは、勤務時間外や休日に仕事のメールや電話への対応を拒否できる権利。2016年にフランスにおいて世界で初めて法制化された。その後、イタリアやスペインはじめ欧州を中心に法整備の動きが見られる。今日の日本は、どのような場合に上司からの連絡を拒むことが出来るのか。J-CASTニュースBiz編集部は、識者に意見を聞いた。

  • 業務時間外にも、部下は上司にきちんと反応すべき!?
    業務時間外にも、部下は上司にきちんと反応すべき!?
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労働契約や会社就業規則のルール、説明内容がカギ

   読売新聞の記事では、パーソル総合研究所の2023年7月の調査を引用。「つながる時間が長いほど燃え尽き症候群になる傾向がうかがわれた」とした。スマホやメール、チャットで、連絡しようと思えば24時間いつでもコンタクトが可能な時代だ。

   「ドラフト労務管理事務所」代表で、労働問題に詳しい社会保険労務士の鈴木圭史氏に取材した。始業前や終業後、部下は上司の連絡に対して反応しなければならないのかが基本的な質問だ。「客先から夜中にクレームが入ったら?」、「担当者たる本人に名指しでクレームが入ったら?」、「上司だけでは状況が分からず対応しきれない場合は?」といった場面が考えられる。

   鈴木氏は、入社時の労働契約や会社就業規則にどのようなルールがあり、どのような説明を受けているのかがポイントになると指摘。そのうえで、こう話した。

「時間外労働がある旨や勤務時間を早めたり遅らせたりする制度があるケースでは、上司の連絡に誠実に応じる義務が発生するでしょう」

   「36協定」や「フレックス制度」等、労働時間に関する特別な取り決めが職場に適用されている場合は、部下が上司に反応する義務が発生すると回答。併せて、「フレックスタイム制を導入していなくても、会社の業務命令により個別に始業時間を前後する労働時間の変更条項は就業規則に定められていることが多いです」とも説明した。

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