メンタルヘルス対策で「社内コミュニケーション増やす」会社も
Aさんの会社では、コロナ禍の間はリモートワークを奨励していた。最初は喜んでいた社員も、家では仕事がしにくいからとオフィスに出社する人が増えていったという。メンタル不調になり、休職して総務部預かりになる人まで出てきた。
「当社の社員は独身男性が多いので、知らず知らずのうちに孤独感をつのらせてしまったのではないでしょうか。決してパーティー好きなタイプが多いわけではないのですが、やはりお互いの人となりを理解したメンバーで仕事をするほうが、ストレスが減るのではないかと思います」
東京商工リサーチの前回11月公表の調査結果では、「コロナ禍前は実施せず、今回は実施する」と回答した企業は、1億円未満の企業では17.75%、資本金1億円以上の企業では21.48%となっており、大手企業の方が高い割合だ。
リモートワークなどの柔軟な働き方は、大企業の方が導入する余裕があることを考えると、懇親の必要性を検討したうえで忘・新年会を実施する意義があると認めて開催している企業がある、と見たほうが自然だろう。
株式会社SENが運営するMental-Fitリサーチが全国の人事担当者を対象に行ったアンケートによると、テレワークを導入して以降、「従業員のメンタル不調の増加を実感した」という回答が約6割となったという。
メンタルヘルス対策について実施または検討している方策として、最も多かったのが「組織内コミュニケーションを増やす」で61.0%を占めた。忘・新年会の活用によって救われる人もいるのではないか。