大学入試と違い、就活は正解が見つけにくい
自己分析をどう進めたらよいのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を実施したリクルート就職みらい研究所の栗田貴祥所長に話を聞いた。
――2024年卒の「就職活動で苦労したこと」のコメントを読んで、全体的にどんな印象を持たれたでしょうか。
栗田貴祥さん 本調査の就職活動で最も苦労したこと(単一回答・上位6項目)でも挙げられている、1位の「面接を受ける(対面)」18.2%、2位の「自己分析」18.0%、3位の「エントリーシートなどの書類提出」16.9%は、いつの時代も普遍的に上位に上がるのですが、これらの項目で学生の皆さんが苦労していることが分かります。
就職活動という人生で初めての経験で、大学入試のような目安や基準などがないなかで、「どこまでやればよいのか?」「何が正解なのか?」「自分らしい内容になっているのか?」などの観点で苦労される学生が多いのだと思います。
――「自己分析」で悩む学生が多いことが、私のような昭和世代には不思議です。もう少し、ほかの重大なこと、たとえば、自分が本当にやりたい仕事とか、就職したい企業の研究とか、業界研究とか、就職の本質で悩むべきだと思うのですが。
栗田さん もちろん、企業研究や仕事研究はすごく大切です。ただ、多くの情報がたくさんあったとしても、最終的に就職先として選択するのは1社です。いくつかの候補の中から、自分らしい充実した人生を歩めるであろう1社を選ぶためにも、自分らしい選社基準を定める必要があります。
自分らしい選社基準を磨き込んで確立していくために、自分自身を見つめる「自己分析」は非常に重要となるのです。さらに、「自己分析」を深めるためには、「自分を客観的に見つめてみる」ことが大事なポイントになります。今までの生活の中で、なかなかそのような機会がなかったこともあり、どの時代でも、多くの学生の皆さんが悩まれ、苦労することだと思います。