高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
安倍派を排除できるなら...裏金問題で考える「財務省の思惑」と「岸田政権の意思」 

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政策より人事をやりたいという岸田首相の悲願かもしれない

   岸田首相も、芽生えた「自我」を悔やんでおり、この際、検察や財務省の動きを利用し、安倍派一掃に出てきたとみていい。もともと、安倍首相の暗殺後、安倍派を一掃しようと、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)騒動を利用しようとしたフシもある。今度こそ、安倍派一掃で、自前の内閣を持ちたいというのは、政策より人事をやりたいという岸田首相の悲願かもしれない。

   傍から見ると、政権支持率などから見て墜落寸前の岸田政権であるが、人事こそ命の岸田首相は好きな人事を自由にできるので充実感があるのだろう。

   いずれにしても、今回の内閣人事で、財務省の思惑通りに、安倍派を一掃し、岸田政権は財務省に恭順の意を表したといってもいい。

   しかし、この裏金問題は、どこの派閥にも他党にもある。一部新聞は、安倍派では「裏金」、岸田派では「不記載」と表記を変え印象操作しているが本質的には同じだ。

   政治的には、自民党主流派から安倍派を一掃すれば、おそらく安倍派からの報復が次にあるだろう。安倍派は会長不在でまとまらないとも言われるが、仁義なき党内抗争になるかもしれない。政権支持率はさらに低下する可能性がある。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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