性的同意サービス「キロク」正式版開始 懸念の「取り消し機能」には「確認」ステップ追加

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   性的同意サービス「キロク」が2023年12月14日に正式にサービスを開始した。公式キャラクターと「カップルの交際や同意の補助としても使用できる」LINEスタンプも売り出す。

   キロクについては、11月22日に配信が始まったテスト版で追加された「2日間の同意取り消し機能」が悪用されるのではと懸念の声が上がっていた。キロクの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に、正式版では「『本当に取り消しますか』という確認が出るようにしました」と説明、「法改正に伴ってのトラブルを1つでも減らせれば」と話した。

  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
    性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
    性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
    性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 「キロク」のLINEスタンプ例(リリースより)
    「キロク」のLINEスタンプ例(リリースより)
  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 性的同意サービス「キロク」の画面(リリースより)
  • 「キロク」のLINEスタンプ例(リリースより)

11月22日配信のテスト版では悪用の懸念も

   発表によると、キロクは「カップルの健全な関係を育むため」のサービス。7月13日の不同意性交等罪の新設に伴う性行為の同意を、複雑な手順なく行えるとうたっている。弁護士監修だという。8月16日に配信が発表されると、「同意を強制されるのでは」など悪用を懸念する声が上がった。

   その後、8月23日にセキュリティ強化などのためとして、8月25日に予定していたリリース日を年内に延期。11月22日にテスト版の配信を始めた。

   テスト版では「誤入力や強制的な同意オペレーションへの対応」として、「誤入力やその場で断ることが不可能だった等の強制的に同意オペレーションをさせられる場合を想定し、同意した日から2日間は同意を取消できる機能を実装」したと発表していた。これが、「後から同意を取り消して金銭を要求するなど、悪用されるのでは」などの懸念の声が上がっていた。

   この懸念に対し、11月22日、キロクの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「『キロク』が全ての(同意の証拠としての)材料ではなく、一助と考えていただければ」とした上で、「ご要望を真摯に受け止めて、アップデートする方法などを考えていきたいと思っております」としていた。

「取り消しの時に『本当に取り消しますか』という確認が出るように」

   12月14日に改めてJ-CASTニュースの取材に応じたキロクの広報担当者によると、同意の取り消し機能が悪用される可能性を指摘されたことから、正式リリースにあたりテスト版から修正を加えている。

「不具合の修正に加え、(同意)取り消しの時に『本当に取り消しますか』という確認が出るようにしました。あまりにも気軽にスライドで取り消せるというようなことにはならないようにしています」

   さらに、「まだ方向性としては固まっていない」としつつも、今後のアップデートの可能性についても言及した。

「これから弁護士に相談しながら、例えば(取り消しの際の)確認要項を増やすなど、工数を増やすことによって、あまりにも気軽に(取り消しが)できないようにする可能性はあります」

   配信されたテスト版には、外国語版や既婚者を排除できる機能などの要望があったという。その上で、正式リリースを次のようにアピールした。

「(キロクによって、7月の)法改正に伴ってのトラブルを1つでも減らせればと思います。もちろん、これが完全なものというわけではないので、日々アップデートはしていきたいです。SNS等でもこれから発信はしていきますので、ぜひ、キロクに期待していただければと思います」

「はっきりしてよ」など「ならでは」なLINEスタンプも

   12月14日の発表では、LINEスタンプの発売にも言及。「本サービスの共有の過程や同意サービスの使用前後のやり取りも同意形成には重要な要素となります」している。広報担当者は、経緯を次のように説明した。

「(キロクは)ウェブサービスなので、(利用者同士が)ライン上でやり取りする頻度が高いと思っております。その中で、コミュニケーションを楽しくする補助として、ラインスタンプがユーザービリティ的に使いやすいものになると思っています」

   内容としては、待ち合わせの際に使える「待ってるよ!」などの一般的なものに加え、「『はっきりしてよ』のような、はっきり意思表示をしないといけないときに、その誘導となるようなもの」など、キロクならではのものもいくつか作る予定という。「(キロク上の)同意は(同意の証拠として)100パーセントというものではありません。前後のラインなどでのやり取りも大きな争点になるので、そこの部分を補助できるものとして考えております」とした。

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