プロ野球ソフトバンクが西武からフリーエージェント(FA)宣言をした山川穂高内野手(32)を獲得することが決定的になった。複数のスポーツ紙が2023年12月14日に報じた。報道によると、4年総額16億円程度の大型契約とみられる。11月14日にFA宣言してから1か月。なぜここまで長引いたのか。J-CASTニュースは楽天、巨人などのコーチを歴任し西武のコーチ時代に山川を指導した経験のある橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。
「ファンの方の反応が分かれるのは仕方ない」
山川は今季不祥事の影響で5月11日のロッテ戦以降出場がなく17試合の出場に留まったが、故障者特例措置に伴い国内FA権を取得。スポーツ紙の報道によると、西武は宣言残留を認める方針で、交渉では単年契約と大幅減俸を提示したとみられる。このような中で山川はFA権を行使し、複数球団の争奪戦が予想された。
山川のFA宣言後、ソフトバンクは山川獲得のための調査を行っていることを明かしたが、その後大きな動きはみられなかった。山川に興味を示していたとみられる中日は、山川と同じタイプの右の大砲・中田翔内野手(34)を獲得。FA選手の去就が次々と決まっていく中で山川の去就は不透明なままだった。
当初から山川の移籍先の最有力候補としてソフトバンクが挙げられた。山川と「相思相愛」の関係と見られていたが、なぜここまで長引いたのか。橋上氏は「これだけ長引いたのは山川選手に対する世論の反応を再確認したいという思いがあったからだと思います」とし、「ソフトバンクは独自の情報網で調査した上で獲得の方針になったと思います」と語った。
山川の入団が正式決定した場合、ソフトバンクや西武ファンの反応が懸念される。
これに関して橋上氏は「ファンの方の反応が分かれるのは仕方のないことだと思います。入団が決まれば、山川選手は自身の行動で見せていくしかないでしょう。やってしまったこと(不祥事)が消えることはない。どうしてもファンの方々の頭の中に残ってしまう。野球の成績もそうですけども山川選手の今後の言動、野球以外のことを含めて自覚を持ってしっかりやっていくことが必要となる。そうでなければ野球人として長くユニフォームを着ていくことができないでしょう」との見解を示した。
「攻撃力に関してはかなりの上積み」
ソフトバンクが山川を獲得すれば、打線により厚みがでる。今季は打線の主軸となった柳田悠岐外野手(35)、近藤健介外野手(30)が活躍する一方で外国人が不発に終わった。リーグ優勝を逃した今オフの課題は「右の大砲」の補強だった。
橋上氏は「山川選手の加入で攻撃力に関してはかなりの上積みがあると思います」とし、今後のソフトバンクの戦力補強について言及した。
「山川選手の補強が優先順位の第1位だと思うので、これが決まることによって全体の予算を含めたものが確定する。これから色々なことが動きやすくなると思います。山川選手が決まれば次はピッチャーに目を向けられる。山川選手が決まらなければ野手に目を向けなければならない。そういった意味では山川選手の獲得が決定すればこれからの方向性がある程度明確になってくると思います。方向性が見えて戦力補強がやりやすくなる」
スポーツ紙などの報道によると、早ければ来週明けにもソフトバンク入りが正式決定するという。