韓国プロ野球リーグのキウムに所属するイ・ジョンフ外野手(25)が、米大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(約164億円)の契約で合意した。米大リーグ公式サイト「MLB.com」(WEB版)が2023年12月13日(日本時間)に報じた。
中日ドラゴンズなどでプレーした元プロ野球選手のイ・ジョンボム氏(53)を父に持つイは、17年に韓国プロ野球リーグ(KBO)でデビューを果たした。21年には打率.360をマークし首位打者のタイトルを獲得すると、22年は打率.349で2年連続首位打者となった。今季は左足首故障の影響で86試合の出場に留まったが、打率.318を記録した。
「これほどの大型契約を結んだ選手はいなかった」
天才的な打撃センスで安打を量産することから「韓国のイチロー」と称され、今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には韓国代表の主力として出場。大リーグ志向が強く、今オフにポスティングシステムを利用しての大リーグ移籍を目指していた。
韓国メディアは一斉にイのジャイアンツ入りを速報した。地元メディア「Newsen」(WEB版)は「『歴史的契約』イ・ジョンフ、韓国大リーガーを超えてアジアの新しい歴史を作った」とのタイトルで記事を公開した。
同メディアは「これまでKBOから大リーグに移籍した選手は少なくないが、これほどの大型契約を結んだ選手はいなかった」と解説。KBOからポスティングシステムを利用して大リーグに移籍した選手の最高契約額は13年にハンファ・イーグルスからロサンゼルス・ドジャースに移籍したリュ・ヒョンジン投手(現トロント・ブルージェイズ、36)の6年総額3600万ドルだったという。
総額1億ドル以上の契約を結んだのは韓国人として2人目で、14年にチェ・シンス外野手(現韓国SSGランダース、41)がテキサス・レンジャーズと7年総額1億3000万ドルの契約を結んだものに次ぐものだという。
記事では、「野手に限定すればアジア選手が大リーグに進出した際に結んだ最高額の契約だ」とした。「大リーグに認められて進出する日本人選手は多く、投手の中には巨額の契約を結んだ選手がいるが、野手では1億ドル以上の契約を結んだ選手はいない」と指摘。過去最大額はオリックスからレッドソックスに移籍した吉田正尚外野手の5年総額9000万ドルだとした。
韓国メディア「スターニュース」(WEB版)は、「ついにサンフランシスコ・ジャイアンツと6年1483億ウォン大型契約!リュを超えて新しい歴史を作った」とのタイトルで記事を公開。記事によると、大型契約の中には27年シーズン後に契約を途中破棄できるオプトアウト権が設定されたという。