大手トンカツチェーン「かつや」の店舗で、食べたヒレカツの肉が赤くなっていたとX(旧ツイッター)上で写真投稿があり、関心を集めている。
投稿者は、生焼けだったと取材に答えたが、体調に異変はないという。かつや運営会社は、加熱不十分だった可能性を認めて、投稿者に謝罪したことを取材に明らかにした。
「今後も通うので、改善をしてくれ、と伝えた」
写真を見ると、食べかけのヒレカツの肉の真ん中部分が赤くなっている。
2023年12月12日夜に投稿され、生の豚肉は食中毒の危険があるだけに、投稿者は、大丈夫なのかと不安をつづった。かつやの公式サイトで、問い合わせフォームから報告しようとすると何度もエラー表示が出たため、投稿することにしたという。
投稿者は13日、J-CASTニュースの取材に応じ、12日の20時30分ごろに東京都心部の店舗でヒレカツ定食を食べたと説明した。このときは、店員に肉が赤いことを指摘しなかったという。
問い合わせではエラーが出たが、かつや側には報告が届いていたといい、その後に連絡があったとした。謝罪を受け、返金も提案されたが、体調に異変がないため、断ったという。
かつや側の対応について、「クレーム対応としては正当なものであり、誠実であると感じている。今後も通うので、改善をしてくれ、と伝えた」としている。
かつやを運営するアークランドサービスホールディングスの広報担当者は13日、取材に対し、写真だけでは判断しかねるものの、加熱が不十分だった可能性があることを認めた。
肉を叩くとき「マニュアル通りにできていないと、厚みにムラができてしまう」
「生のヒレ肉を叩くとき、マニュアル通りにできていませんと、厚みにムラができてしまいます。自動で揚げるオートフライヤーの基準を満たしていないことになり、生だったとは言い切れないものの、加熱し切れていなかったのではないかと考えています。もちろん、油の温度管理などの問題もありえますが、肉を叩くときの原因が考えられます」
冷凍肉を解凍し忘れた可能性については、否定した。肉を凍らせておらず、チルド状態で処理しており、解凍する作業がないことを理由に挙げた。
投稿者の問い合わせは届いていたといい、本人に確認したところ、加熱されていない部分があったと本人から説明があった。投稿を受けて、全店にマニュアルの再確認を指示しており、投稿者には、謝罪したうえ、対応について報告したとした。投稿者の体調については、通院の必要はないと言われたという。
肉の加熱不十分を指摘されたことについては、この店を所轄する保健所に運営会社が報告したと説明した。保健所からは、同様の事案について申し出はないと言われたとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)