米大リーグ公式サイト「MLB.com」(WEB版)が2023年12月12日(日本時間)、ロサンゼルス・ドジャース入りした大谷翔平投手(29)の特集記事を組み、ニューヨーク・メッツが大谷を追わなかった理由を解説した。大谷はドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の超大型契約を結びロサンゼルス・エンゼルスから移籍した。
「MLB.com」は、「メッツが大谷を取らなかった理由」とのタイトルで記事を公開。16年間、メッツを担当しているアンソニー・ディコモ記者が独自の視点から分析した。
「どう見てもメッツは大谷と真剣に話したことは1度もなかった」
記事では「メッツのオーナーであるスティーブ・コーエン氏は球界で最も裕福なオーナーだが、なぜ大谷はメッツではなかったのか?」との疑問を投げかけ、「どう見てもメッツは大谷と真剣に話したことは1度もなかった」とした。
メッツが大谷取りに「本気」でなかった理由は2つあるという。
1つ目は、大谷は西海岸でのプレーを好むことだという。「そもそもそれが大谷がエンゼルスと契約した理由の一部でもある」とし、「もし本当に地理的な問題が大谷にとって重要な条件であったなら、メッツがそれに対抗するためにできることはあまりなかっただろう」と解説した。
2つ目に支配下登録選手枠を挙げた。
同メディアは、「メッツがドジャースと同じように大谷と7億ドルの契約を結んでいたら、先発投手をあと2人、さらに複数のリリーフを加える必要があっただろう」とし、「大谷だけではメッツを4位(ナ・リーグ東地区)のチームから即座に優勝候補に変身させることはできなかっただろう」との見解を示した。
そして、コーエン氏が24年を、25年以降を見据えた「橋渡し的」な年としていることは、一歩引いて考えても理解できるとし、「右肘の手術から回復する間、来シーズンは投げることができない29歳の大谷が、決して完璧にフィットしなかった理由もそこにある」と説明した。
このような事情から25歳とまだ若い山本由伸投手(オリックス)はクイーンズ(メッツの本拠地)に完璧にフィットする唯一のフリーエージェント(FA)だと指摘。ヤンキース、ドジャース、ジャイアンツ、レッドソックスといった球団が山本に興味を示していることから、「メッツはクリスマス前までに山本について明確にする必要がある」との見解を示した。