ネギ、タマネギの値段が高騰している。
農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」の12月4日時点の価格は、長ネギが1キロ当たり936円で、平年比146%。タマネギは同395円で、平年比143%。いずれも平年と比べて高値となっている。主な産地でどのようなことが起こっているのか、取材した。
「ほとんど収穫できないで苦労した」
農林水産省では、民間調査機関の調査員による各都道府県10店舗の量販店(全国470店舗)を訪問調査している。2023年12月12日に発表になったのは、12月4~6日の結果だ。
もっとも値上がり率が高かった長ネギについて、全国生産の24%を担う茨城県にある、JA新ひたち野に値段高騰の理由を取材した。担当者は「天候に左右された1年だった。8月の猛暑でネギが育たず、ほとんど収穫できないで苦労した。10月以降には気温も下がり、出荷が落ち着いてきている」と話した。
タマネギは、国内の97%を北海道で生産している。今夏の生育状況について、北海道北見市の、JAところを取材した。
「8月末頃の35度を超える猛暑がひどかった。タマネギも『日焼け』によるくぼみのできたものが多く、廃棄せざるを得ないため出荷量が減ってしまった」
と説明した。
農林水産省の「野菜の生育状況及び価格見通し(令和5年12月)」では、北海道全域に雨が降らなかっため、水不足によってタマネギの小玉化の傾向があり、12月の出荷量は平年を下回っているとしている。