低所得者援助で「帝国ホテルの缶詰ギフト」 芸人が活用して話題、港区に実情を聞いた

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「港区は物価が高いので、低所得者には天国と言うには難しい」

   とはいえ、低所得者に帝国ホテルの缶詰ギフトなどを贈ることについて、ぜいたくなのではないかとの批判も出ている。

   このカタログギフトは、港区が21年度から「エンジョイ・セレクト事業」として、所得制限をかけて子育て世代にお米やレトルト食品などを月1回提供している。新型コロナウイルス感染拡大による外出制限で低所得者への影響が出ることを考えた緊急対策で始めた。一定の所得基準を超えない両親世帯には、子供が1~2人なら、2500円のセットが2個贈られる。

   これに対し、区の公式サイトによると、余裕のある世帯向けのギフトを低所得者に贈るのは間違っているといった区民の声が23年6月に寄せられた。その回答として、区では、賞味期限が短い商品は提供できないのでこの方法を取っていると理解を求めていた。

   事業を進める港区の子ども若者支援課は12月12日、J-CASTニュースの取材に対し、その趣旨をこう説明した。

「できるだけたくさんのものをあげたいと考え、市場価格ではなく仕入れ価格で提供するよう業者の方にお願いしています。その業者に特有の販路がありますので、それで実現できています。ぜいたくだという方もおられ、批判も多少ありますが、困窮している利用者の方からは、『また使っています』と好評です。港区は、スーパーの食品なども高めで物価が高いと聞きますので、所得の低い方にとって天国と言うには難しいかもしれないと思っています」

   なお、エンジョイ・セレクト事業は、区内の約4000世帯が対象になっており、23年度の予算は約4億2000万円だった。21、22年度はギフト販売会社「シャディ」(東京都港区)、23年度は大手デパート「高島屋」(大阪市)がギフトを選定している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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