日本は「世界で最も助け合わない国」? 研究者が指摘する原因は「日本人の遠慮」

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「困ったときはお互い様」の精神で

――ビジネスの現場で、多様な人々が助け合うにはどうしたらよいでしょうか。

水野さん ビジネスの場で外国人や障害のある人などに出会うのは、お客様として接する場合と従業員として接する場合の2つがあります。両方とも、どう接していいかわからないと困惑する人たちが多いことが問題です。解決策は、街角で困っている人を見かけた場合と基本的には同じ。「手助けが必要ですか?」「どのような手助けが必要ですか?」と本人に直接聞けばいいと思います。

たとえば、外国人の場合、英語などの外国語ができないとコミュニケーションができない、という思い込みがある人が多いですが、そんなことはありません。出入国在留管理庁の「令和4年度 在留外国人に対する基礎調査」によると、日本に住む外国人の4人の3人が「日常生活で必要な会話ができる」レベル以上の日本語能力はあるのです。

英語などの外国語で話しかける勇気がなくても、ぜひ、「やさしい日本語」で話しかけてください。普段使われている言葉を、日本語が得意でない外国人にも分かるように配慮した簡単な日本語のことです。「土足厳禁」と言わず「靴を脱いでください」と言った感じ。二重否定表現を使わないのもコツです。

日本に昔からある言葉「困ったときはお互い様」の精神で声をかければよいのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)


水野映子(みずの・えいこ)

第一生命経済研究所 ライフデザイン研究部 主任研究員、横浜商科大学 非常勤講師(専門はユニバーサルデザイン)

最近の研究テーマは障害者・外国人のコミュニケーションなど。2018年1月から2年間休職し、南米ウルグアイでJICA(国際協力機構)のボランティアとして活動。

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