冬のボーナス、企業の24%「増加」だが「減少」「なし」が26% 喜ぶかトホホか、調査担当者に聞いた

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観光復活とオフィス回帰で、「紙」業界が潤う理由

   こうした調査結果をどう見たらよいのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した帝国データバンク情報統括部の窪田剛士(くぼた・つよし)さんに話を聞いた。

――今回、冬のボーナスが増加する企業の割合が高い業界のトップが農林水産業(前年比プラス28.8%)になっています。しかし、水産業は福島第1原発の処理水放出問題で、中国とロシアから水産物の輸入禁止措置を受けて、ピンチに陥っているはず。ボーナスがこれほど出るのはどういうわけですか。

窪田剛士さん コロナが収まり、インバウンド需要が復活して旅館、ホテルなどの観光業界が好調なことが大きいです。お客に提供する料理の材料として水産物や農産物の需要が増えました。

――ポスターやチラシ関連を含む紙類・文具が好調なのはどういう理由からですか。

窪田さん これも観光業界が好調なことが大きな理由です。観光案内のポスターやイベントのチラシが大量に復活したため、製紙関係の需要が大きく伸びたのです。

「紙」が好調なのは、コロナが収まってテレワークが減り、多くの人がオフィスに戻ったことも大きいです。テレワークなど紙は使いませんが、オフィスではコピー、会議の資料などに紙を大量に使いますからね。文房具関係が伸びたのも、オフィス回帰が理由です。

――一方で、アパレル業界(約40%)や飲食店業界(約30%)ではボーナスを出せないところが多いですね。これはどういうわけですか。

窪田さん アパレル業界は、従業員が5人以下の零細企業が多く、どうしてもボーナスを出せるところが限られてきます。飲食店業界も中小・零細企業が多いうえ、いいところと悪いところの落差が激しく、厳しいです。今年5月に新型コロナが「5類」に移行しましたが、両業界ともまだ先行きを見通せない状態です。
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