子どもたちの約4割が、おせち料理が好きではないという調査結果が出た。情報サイト「いこーよ」が2023年11月27日に発表したものだ。
一方で近年は、おせち料理の売れ行きが好調。J-CASTニュースBizも11月14付の記事で、新年は「大人数で豪華な食材を使ったおせち」が主流になるとの予測を紹介した。おせちは人気なのか不人気なのか、取材した。
ローストビーフやカニ、ステーキを正月に
「いこーよ」の調査結果によると、子どもの27.0%が「あまり好きではない」、12.0%が「まったく好きではない」と答えた。合わせて39.0%となる。「おせち料理がとても好き」な6.0%とは大きな差が出た(図1)。
おせち料理が好きでない子どもたちは、お正月に何を食べたいのか。調査元のいこーよファミリーラボを取材すると、「定量的に把握をしているわけではないが、ローストビーフやお寿司のテイクアウト、カニやステーキをふるさと納税でお取り寄せなどを食べている自由回答がありました」と答えた。
一方で、スーパーや百貨店の豪華なおせち料理セットの売り上げは好調だ。「お正月料理の金額については、今回のアンケートで1万円から3万円の購入が最も多く出ております」(いこーよファミリーラボ)と、確かに高価な商品が売れているようだ。
子どもには不人気、でも売れている――この、おせちの「謎」を解くヒントは、実は同じ調査結果に潜んでいた。おせち購入のきっかけを問う項目で、「自宅では作れないようなものが食べられる」(199票)、「盛り付けが豪華で食卓が華やかになる」(124票)、「有名店・名店の味を味わえる」(34票)といった回答が並んだ(図2)。最近では、和洋折衷な豪華なおせち料理セットが増え、ローストビーフや伊勢エビなどが入る品もある。これらには、子どもが「食べたい」と考えている料理も含まれているのだ。
「昔ながら」のおせちの将来は
一方で子どもたちは、いわゆる「昔ながら」のおせち料理を敬遠する傾向にあるようだ。
「2018年の文化庁の調査の『日本の食文化として子どもや外国人に伝えたいもの』のなかでは、正月の準備をする大人側の『正月の雑煮など、年中行事と結び付いた料理』への興味関心が27%とかなり低いデータが出ています」
いこーよファミリーラボでは、こう解説した。また、伝統的なおせち料理から和洋折衷の豪華なおせち料理に人気が移っていることに触れ、
「ますます子どもも大人も伝統的なおせち料理離れの傾向を加速していく傾向があり、ここ10年ほどでおせち離れが進み、今後も進んでいくと想定しています」
と話した。