「経営のプロ」コンサル会社の倒産が過去最多ペース 調査担当者が明かす人気業界の真実

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「政策系」「戦略系」「士業系」がしのぎを削る

   それにしても「経営のプロ」の倒産が最悪ペースとは、どういうことか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した東京商工リサーチ情報部の後藤賢治さんに話を聞いた。

――「IDC Japan」のコンサル業界の市場規模予測では、今後8.8%の年間平均成長率が見込まれるということです。それだけ成長が著しい業界、しかも「経営のプロ」が集まる業界で倒産が相次ぐとは、恥ずかしい事態ではないですか。

後藤賢治さん それだけ成長率が高く、需要やニーズがある業界だからこそ、経験を持ち、自分の専門性を生かしたいという人がどんどん参入し、競争が激化しているのです。

たった1人で創業でき、開業資金も要らず、資格も必須ではないコンサル業は参入障壁が低いのが特徴です。それだけに、玉石混交といえますが、現在、「石」がどんどん振るい落とされており、「本物」と「もどき」がシビアに選別されている状態といえます。

――後藤さんはリポートに、コンサル業は現在、「政策系」と「戦略系」、「士業などの専門系」と多様化していると指摘しますが、具体的にはどういうことですか。

後藤さん 「政策系」とは大手シンクタンクなどを中心に、政府や自治体などの官庁に経済政策や景気対策などの公共政策を立案、進言するところです。

「戦略系」とは主に企業相手に、経営戦略の相談に乗ったり、コストカットやマーケティング対策をアドバイスしたり、M&A(企業の吸収合併)を進めたりと、経営全般にかかわるところです。

「士業などの専門系」とは、公認会計士、弁護士、税理士、中小企業診断士などの「士業」が専門知識を生かして独立し、新たにコンサル会社を始めるところです。たとえば今、コンサル業界に盛んに進出しているのが、公認会計士が集まる監査法人です。

本業の監査事業が、企業の不正事件が相次いで厳格化されたため、顧客を増やそうとM&A仲介や、ファイナンシャルアドバイザリーなどの新規事業を始めるところが増えています。

また、弁護士が法律の知識を生かし、情報セキュリティーの会社を作ったり、中小企業診断士が人脈を生かして事業継承の相手を探す事業を起こしたり、税理士が株式の移動など税務コンサル業を始めたりと、さまざまです。

最近は、不動産投資、IT、医療、ヘルスケア、人材育成なども増え、どんどん細分化されています。
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