コンサルタント業界といえば、「経営のプロ」が集い、また成長が著しい業界ということで就活生の人気が一番高いところだ。
そのコンサル業界で倒産が急増、過去最多に達していることが、東京商工リサーチが2023年12月2日に発表した調査「経営のプロ『コンサル会社』の倒産が急増」でわかった。
企業を経営悪化から救うはずのコンサル会社が、バタバタと倒産してどうする? 調査担当者に聞くと、コンサル業界の意外な実態が――
今後、年間平均成長率8.8%を見込める業界だが
東京商工リサーチの調査によると、2023年は10月までに経営コンサル会社の倒産が過去最多の116件に達した。同期間(1月~10月)で最多だった2009年(109件)を大幅に上回り、年間最多記録の2009年の128件を更新することが確実な勢いだ【図表】。
倒産116件のうち、90件(77.5%)が「販売不振」が原因で、全体の約9割の104件(89.6%)は負債1億円未満の小規模事業者だ。
東京商工リサーチでは、2020年~2021年のコロナ禍のなかで、中小・零細なコンサル会社も経営悪化に追い込まれたこと、さらに近年、コンサル業界全体が需要の拡大で市場規模が膨らみ、公認会計士や中小企業診断士など多くの「異業種」から参入が相次ぎ、競争が激化したことが原因だと分析している。
ちなみに、IT専門調査会社「IDC Japan」(東京都千代田区)が、2022年5月に発表した「国内ビジネスコンサルティング市場予測」によると、2021年の同市場規模は前年比11.4%増の5724億円になったという。
コロナ禍から回復し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援需要を追い風に高成長軌道に復帰したとみられ、IDCでは同市場の2021年~2026年の年間平均成長率は8.8%で、2026年に8732億円になると予測している。