社内・外を問わず、励ましやアドバイスがもらえる仲間の存在も重要
第2に、Eさんにとって、上司力鍛錬ゼミで共に励まし合える仲間の存在が大きかったことです。
組織の中でリーダーは孤独になりがちです。上からも下からも援護がない孤軍奮闘の状況では、誰もがくじけそうになるものです。その時に、悩みを率直に打ち明け、励ましやアドバイスがもらえる仲間の存在が重要なのです。
Eさんの場合は学びの仲間でしたが、社内・外を問わず、そうした人脈をつくっておくことです。これは、上司として難しいタスクを遂行する場合に限らず、困難な組織改革に挑む場合など、様々な地道な活動の支えになります。
自身の上司力を高め続けるためにも、ぜひ職場の同僚や、知人・友人など、同じ課題意識をもつ仲間同士のコミュニティづくりに普段から取り組むことをお勧めします。
(紹介するエピソードは実際にあったものですが、プライバシー等に配慮し一部変更を加えています。)
【筆者プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。近著に、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)。