73歳シニア記者、生成AIでリスキリングに初挑戦 文章はうまくなったのか?

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変化を楽しみ、冒険と奇跡を楽しみ、人生を楽しもう

   ここで改めて、白石さんに話を聞いた。

――今日、ChatGPTを初めて使って、うまく使いこなすことができれば、記事を書くうえで頼りになる助っ人になると感じました。ところで、企業が生成AIを活用して、シニア世代のリスキングに取り組んだほうがいい理由には、シニア世代の生産性を上げること以外にありますか。

白石さん 今後、生成AIは「ChatGPT〇〇会社版」といった、個々の企業に特化したバージョンが生まれてくると予想しています。

それぞれの企業が持っている膨大な情報や資産、データ、社員の知識やスキル、ノウハウ等をChatGPTに読み込ませて、企業内に共用して活用する時代がやってくるでしょう。

その際、重要になるのが、その業界・会社での専門知識や特有の経験です。こうした知識や経験を豊富に持ち、生成AIに高度な指示を出すことのできるシニアを活用することで、新たな価値やソリューションにつなげることができると考えます。シニア層はITスキルがないと決めつけずに、シニア層が培ってきたスキルを積極的に活用していくことが今後企業に求められるでしょう。

――なるほど。そんな時代を迎えて私のようなシニア層は、どういう心構えで生成AIと向き合っていけばよいでしょうか。

白石さん 今日、生き生きとした表情で生成AIに挑戦されていたように、変化を楽しんでください。新しいものを積極的に試してみて、冒険と奇跡を楽しみ、人生を楽しんでください。

ただし、現時点のChatGPTはインターネット上にある膨大なデータから言葉を編み出しているにすぎないため、新しいものを生み出すことはできません。また、間違うこともあります。

しかし、人間は新しいアイデアを生み出します。たとえば、今日、福田さんがやってみた「生成AIを自分が試してみて、シニアのリスキリングを記事にしてみよう」という発想は、ChatGPTでは思いつかないでしょう。生成AIを使うことは、人間の素晴らしさを再確認することでもあります。

(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)


白石香織(しらいし・かおり)

第一生命経済研究所総合調査部マクロ環境調査グループ主任研究員

慶應義塾大学卒。第一生命保険入社後、2010年米ノースカロライナ大学で経営修士号(MBA)取得。仏パリにあるOECD(経済協力開発機構)経済産業諮問機関に出向、政策アドバイザーとして国際ロビー活動に従事。2011年より現職。

専門は労働政策・国際政策(リスキリング、ジェンダー)。研究リポートに「男女賃金格差解消には『OBN文化』からの脱却~脱・オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)文化のカギはDE&I~」など。日経xwoman(クロスウーマン)アンバサダーとしても活動中。2歳・4歳・8歳の3児の母として仕事と育児に奮闘中。

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