国内の書店数は過去20年ほどで、大幅に減少した。日本出版インフラセンターの調査(図1)によると、2003年に2万880店あったが、2022年には1万1495店と約半分に数を減らしている。
最近でも2023年11月15日、東京のJR阿佐ケ谷駅近くにある「書楽 阿佐ヶ谷店」が、2024年1月8日に閉店すると発表した。最寄り駅の書店がなくなってしまうことは、どんな影響をもたらすのか。
駅前書店が減り選択肢は大型店に
インターネットで調べただけでも、この年末年始に閉店する東京近郊の書店は、書楽 阿佐ヶ谷店と、中目黒駅前の「新高堂書店」の2店が見つかった。
なかでも、書楽 阿佐ヶ谷店は40年以上、同地で営業していた書店だ。店長の石田充氏を取材すると、「本の売り上げはバブル時代をピークにして、20年前から半分くらいになってしまっている」と語った。
日本出版インフラセンターの調査(図1)では、1~49坪の小さな書店がここ20年ほどで2937店舗、閉店している。一方で、1000坪以上の大型書店は2003年が38店舗、2022年が93店舗と2.5倍近く増えた。
出版科学研究所に取材した。所員は、「かつて月に1回以上書店に通っていた人が、近年は数か月に0~1回になっていることが、読書世論調査で明らかになっている」と明かし、こう続けた。
「月刊誌などを定期的に買い求めていた読者に支えられていた小さな書店が、立ち行かなくなっている。読書をしたくなって思い立った読者が行くのは、在庫が豊富な大型店か、あるいはショッピングモールなどの店舗になっているのではないか」
また「気軽に立ち寄れる近場の小さな書店が無くなっていることで、大型店に読者が行かざるを得なくなる悪循環に陥っている」と指摘した。