狩猟鳥獣への指定で駆除の担い手増える可能性、しかし懸念も
現在、キョンは狩猟が認められた「狩猟鳥獣」として認定されていない。「第2次千葉県キョン防除実施計画」によると、外来生物法に基づく「従事者証」を発行された人がキョンを捕獲できる。前出の原田さんは、現在は趣味で狩猟をしている人たちはキョンを捕獲できないが、認定されることで狩猟対象としてキョンの生息数を増やしてしまう人が現れる可能性もあり、狩猟鳥獣には「するべきではないと思う」という。
「ブラックバスという魚は、もともとは芦ノ湖にしかいなかったのですが、とても強い引きが楽しめるので、各地にばらまかれました。キョンもそうなる可能性は十分にあります。キョン肉が美味しいなどと噂が流れると、地域に放すような不届き者が現れるはずです」
一方で、県は狩猟鳥獣として認めることを検討するよう国にお願いしているという。
「狩猟期間は11月から数か月間だけと限られているので、狩猟鳥獣化すれば問題が解決するかどうかは分からないですが、(キョンの駆除に)組織的に取り組むためには、ある程度、やってくれる人を確保していかなくてはと思っています。担い手を多様化することで捕獲数が増えるかも知れないということで、国の方にはあくまで可能性の一端として、検討をお願いしています」(前出・県自然保護課)
狩猟鳥獣化することにより養殖する人などが現れてしまう懸念については把握しているといい、「(キョンの)根絶を目標に取り組んでいますので、産業として定着してしまわないよう、啓発は常に行うようにしています」とした。