企業は今こそ「若者の孤独」と本気で向き合おう 会社も社員も幸せになれる一歩は「たわいもない雑談」から

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「ご近所付き合い」のような気楽な雑談を

――正社員でも半分近くいるのですね。その人たちの孤独対策に取り組むには、何から始めて、どう進めればいいのですか。

橘和香子さん 先輩や上司からは、最近の若者はクールで何を考えているのかわからないと見られがちですが、私たちの調査では、多くの人が「話しかけられたい」「気にかけられたい」「たわいもないコミュニケーションを取りたい」と回答しており、格式ばった相談や、専門家のアドバイスではなく、気軽な雑談を求めていることがわかりました。

かといって、いきなり「何、悩んでいるの?」とグイグイこられるのは嫌がられます。これではどのように声がけをすればよいのかわからないというご意見もよくいただきます。

そんなときは「ご近所付き合い」のような関係をイメージして頂けると良いかと思います。話しかける側も意気込まず、ご近所さんと同じようにまずは、「おはよう」「最近どう、元気?」といった気楽なコミュニケーションから始めたほうが良いと思います。

――「ご近所」のようにコミュニケーションをとるのも結構、難しいですね。

橘さん 確かに、「気にかけられたい、話しかけられたい」けれども、アドバイス等は求めていないという面では、対応が難しいという印象を受けるかもしれません。また、若者に限らず人は悩みの内容や深刻さによって相談相手を選びます。

ただ、今まで一度も気楽な会話を交わしたことがない相手は相談相手になれません。また、仕事の話しかしたことがない相手には、悩みを打ち明けにくいのではないでしょうか。一方で、若者たちがたわいもないコミュニケーションを求めていることは確かです。そのため、普段から若者が話しかけやすい関係を複数築いておくことが重要かと考えます。

――まず、若者と「気楽な雑談」を交わすことがスタート地点として、それをどうやって社内に周知徹底させればいいのでしょうか。会社のトップが全員メールで奨励するのでしょうか。それとも、昭和の企業のように壁に「気楽な雑談を!」とスローガンを張り出しますか。

橘さん 周知徹底までは必要なく、むしろ全員に推奨すると義務感が出てしまい、気軽なコミュニケーションがとりづらくなる恐れもあります。まずは職場のかたの認識を変えることが必要です。管理職研修の場などで、マネジメントの一環として雑談の重要性や有用性を紹介してもいいと思います。

逆に若い世代は、仕事中かもしれない先輩に話しかけてよいかわからない人もいます。"話しかけて良い"と思ってもらうことから始める必要もあるかもしれません。職場の雰囲気や職種、在宅勤務の有無によっても変わるので一概には言えませんが、職場にコーヒーブレイクできる場を設けるのも一つの案です。

そこにいる時間、集まってきている人は仕事を一時中断してきているわけで、「話しかけてもよい」と認識されるので、雑談が生まれやすいと考えます。また、そうした場の設置がなくても、例えば商談先への行き帰り、エレベーターの中でも気軽な会話は始められます。
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