今季5位に低迷したヤクルトが積極的に補強へ動いている。
楽天の戦力構想から外れた西川遥輝、ソフトバンクを戦力外となった嘉弥真新也、増田珠の獲得が発表されたのに続き、DeNAから国内フリーエージェント(FA)宣言した石田健大と初交渉を行ったことが複数のメディアで報じられた。報道によると、ヤクルトは交渉の席で4年総額4億円規模の条件を提示したという。
■「ヤクルトにFA移籍の可能性は高い」
石田は今季23試合登板で4勝9敗、防御率3.97。5、6イニングでマウンドを下りることが多く、118イニングと規定投球回数に到達できなかった。今オフは同じ左腕のオリックス・山崎福也がFA権を行使し、巨人、ソフトバンク、ヤクルト、DeNA、日本ハムが獲得レースに参戦。慰留を目指すオリックスを含めた6球団で争奪戦となったが、山崎は日本ハム入りを決断した。石田がFA宣言後に獲得に名乗りを挙げる球団がなかなか報じられなかったが、山崎を獲得できなかったヤクルトが補強に動いた。
「石田は先発での起用を希望していると言われています。ヤクルトが補強したいポイントはまさに先発陣です。今季2ケタ勝利を挙げた投手は小川泰弘のみ。サイスニードは7勝、侍ジャパンでWBC制覇に貢献した高橋奎二は4勝9敗、防御率4.60と不安定だった。石田が先発で獲得できると大きなプラスアルファになる。本人も環境を変えて気持ちを一新したい気持ちが強いのでは。昨オフに3年契約を固辞して単年契約を結んでいますし、ヤクルトにFA移籍の可能性は高いと思います」(スポーツ紙デスク)
今永昇太がポスティング・システムでメジャーに挑戦するDeNAも先発陣が盤石とは言えない。慰留に全力を注ぐとみられるが、石田の決断はいかに――。
(中町顕吾)