オリックス移籍の吉田輝星、先発希望するも「適性は中継ぎ」の声

   日本ハム・吉田輝星とオリックス・黒木優太の交換トレードが成立したことが2023年11月24日、両球団から発表された。日本ハムは環境を変えた方が、吉田の今後の野球人生が良い方向に進むと判断したのだろう。

   日本ハムは48年ぶりに2年連続最下位に沈んだが、チームの柱になる選手が次々に出てきている。その筆頭格が万波中正だ。今季は141試合出場で打率.265、25本塁打、74打点をマーク。1本差で自身初の本塁打王に届かなかったが、広角に長打を量産して大きく飛躍した。野村佑希は125試合出場で打率.236、13本塁打、43打点をマーク。数字は物足りないが、開幕から4番でスタメン起用されるなど首脳陣の期待値は高い。田宮裕涼もシーズン終盤に1軍昇格して本職の捕手だけでなく、魅力の打力を生かして左翼でスタメン起用された。10試合出場で打率.258、2本塁打、9打点と来季に向けて大きな可能性を抱かせた。

  • オリックスへの移籍が決まった吉田輝星投手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
    オリックスへの移籍が決まった吉田輝星投手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
  • オリックスへの移籍が決まった吉田輝星投手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「直球の質を磨き、セットアッパーで1軍定着を目指した方が良い」

   万波、野村、田宮と高卒の同期入団で、ドラフト1位指名された投手が吉田だった。昨年は51試合登板で2勝3敗5ホールド、防御率4.26の成績を残したが、先発に再挑戦した今年は3試合の救援登板のみで防御率9.00。投球フォームで試行錯誤し、伸び悩んでいた。吉田は先発を希望していると言われるが、他球団の関係者は「適性は中継ぎだと思います。変化球の精度が高いわけではなく球種も少ない。直球の質を磨き、セットアッパーで1軍定着を目指した方が良いと思います」と指摘する。

   オリックスは先発から救援に配置転換されて光り輝いた山崎颯一郎がいる。長年先発ローテーションを担っていた山岡泰輔も今年のシーズン途中に救援に回り、安定した投球でリーグ3連覇に貢献した。吉田の役割は先発か、救援か。同郷の秋田出身・中嶋聡監督の起用法が注目される。(中町顕吾)

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