「クラウドソーシング」や「有料メルマガ」も積極的な調査対象に
「所得税及び消費税調査等の状況」には、トピックスとして当該事業年度の主な取り組みも記されている。ここ数年で共通しているのは、「富裕層」と「海外投資等を行っている個人」、そして「インターネット取引を行っている個人」に対して積極的な調査を行っていることだ。
有価証券・不動産等の大口所有者や経常的な所得が特に高額な個人、海外投資等を積極的に行っている個人などの「富裕層」の申告漏れ所得金額は、総額で980億円と過去最高を更新した。
「インターネット取引を行っている個人」とは、インターネット上のプラットフォームを介して行うシェアリングエコノミー等の新分野の経済活動にかかわる取引や、暗号資産(仮想通貨)等の取引を行っている個人を指す。
取引区分別の調査状況は、「ネット通販等」が35.6%、「シェアリングビジネス」が26.4%、「デジタルコンテンツ」が7.6%、「ネット広告」が6.8%など。シェアリングビジネスには、民泊やカーシェアリング、クラウドソーシングなど、デジタルコンテンツにはアプリ作成・配信、有料メルマガなどが含まれる。
5年連続トップ10入りの「経営コンサルタント」はどのような業務を行う人が多いのか記載されていないが、例えば有料メルマガの発行で収入を得ている人も含まれている場合もあるのかもしれない。