ラーメン二郎が一部店舗で「写真・動画NG」の貼り紙 顧問弁護士に理由を聞いた

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   人気ラーメンチェーン「ラーメン二郎」が、インスタグラムやユーチューブ投稿などのために写真や動画を撮ることは、他の客の迷惑になるため止めるよう呼びかける貼り紙を一部店舗に出していることが分かった。

   東京都府中市内の府中店が、X(旧ツイッター)上で貼り紙の写真を投稿して、話題になっている。同店では、ラーメンの写真撮影は可能だとしている。貼り紙に名前が出ていた営業審査委員会の弁護士に話を聞いた。

  • ラーメン二郎の注文例
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「ご注文のお食事を写真撮影のみ可です」

   府中店の投稿を見ると、貼り紙は、ドアとみられるところに「ご注意」と題して、掲示されている。

「インスタグラム・Youtubeはじめ写真・動画の撮影は当店舗だけでなく、他のお客さまにも、ご迷惑になりますので、お止めくださるようお願いします」

   貼り紙の最後には、「ラーメン二郎 営業審査委員会 弁護士 金子正志」と呼びかけ人の名前が記されていた。

   この貼り紙写真は、2023年11月27日にX上で投稿され、ネット上で拡散されて関心を集めている。

   府中店のXアカウントには、プロフィール欄に次のような説明が出た。

「従業員、店内、他のお客様の撮影禁止(動画も含みます)動画のSNS投稿も固くお断りします。既に動画投稿されてるものは削除依頼願います。ご注文のお食事を写真撮影のみ可です」

   今回の投稿でも、食事のラーメンのみ写真撮影可と強調されていた。

   インスタでは、「♯ラーメン二郎」で検索すると、約42万件の写真や動画の投稿がヒットする。また、ユーチューブやTikTokなどでは、ラーメン二郎と検索すると、店やラーメンを紹介するなどした動画が大量に出て来る。多くはラーメンや自身らを撮ったものだが、他の客などが見えるものも見られた。

   20年12月には、東京都江東区内の亀戸店が、ある人気ユーチューバーが店内で無断動画撮影をしたとして、公式Xでこうした行為を止めるよう苦言を呈したことがある。その後に動画は削除され、店の投稿も削除されたが、「営業していく上で必要なことだと思って声がけしていますので不貞腐れたり逆ギレはやめて下さい」と呼びかけていた。

店主会議で注意喚起の提案、各店の判断で貼り紙を出す

   なぜ貼り紙を出しているかについて、名前が出ていた金子正志弁護士は11月28日、J-CASTニュースの取材に応じた。顧問弁護士として、ラーメン二郎の様々なことを判断する営業審査委員会の委員長をしているとしたうえで、次のように答えた。

「お客様の中で、勝手に写真や動画を撮られる方がいます。撮った後にインスタやユーチューブに動画を上げるユーチューバーの方もいるようです。そうしますと、他のお客様が写り込んで、ご迷惑をかけることになります。注意に従っていただける方もいますが、そうでない方もいるようです。実際に、いくつか苦情があったと聞いています」

   金子弁護士によると、写真・動画撮影のマナー違反については、1年以上前から問題になっていた。1年近く前の店主会議で、注意喚起してはどうかと提案があり、各店の判断で貼り紙を出すことになった。

「貼り紙を用意しましたので、実際に貼る店もありましたが、貼らずに個別に注意するだけの店もあるようです。全店で貼っているわけではありません。方法を提示して、選択は店主の判断に任せています。ラーメンのみ写真撮影可とする店は多いのではないかと思いますが、あくまでも各店の判断になります。SNSに投稿も可かどうかも、店によって違うと思います」

   注意喚起の貼り紙を出した効果については、こう話した。

「そこまで問題にはなっていませんので、効果は上がっていると思います。常識の範疇で、写真や動画を撮ってもらえればいいでしょう。投稿者に対して、訴訟を起こしたり刑事告訴をしたりすることは、今のところ考えていません」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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