TBS、ジャニーズ性加害裁判は「放送皆無」 調査報告書が明らかにした「人権意識の希薄さ、週刊誌報道の軽視」

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カウアン・オカモト氏会見は「把握していなかったため取材しておらず」

   さらに報告書では、23年3月27日の「荻上チキ・Session」で性加害問題を扱った英BBCのドキュメンタリーについて言及し、4月12日の同じ番組では、日本外国特派員協会で行われたカウアン・オカモト氏の記者会見についてニュースとして報じ(編注:共同通信の配信原稿を使用)、「パーソナリティがコメントした」。4月15日の「ナイツの ちゃきちゃき大放送」でも、「コメンテーターが会見についてコメントしている」とした。

   上記の番組でニュースとして扱われたのはカウアン・オカモト氏の記者会見で、テレビよりも早く性加害問題を報じたといえる。それ以外は「書評家」「ゲストのジャーナリスト」「パーソナリティ」「コメンテーター」による発言だ。外部の出演者が言及したことで、結果的に番組としても性加害問題を扱った形になっている。

   なお、TBSはオカモト氏の記者会見を取材しておらず、報告書の「BBC 報道以降の放送対応」の項目で「本件における最大の問題」だと指摘されている。次のように、会見が開かれることを把握していなかったことが原因だとしている。

「当日の午後のニュースを担当する編集長がオカモト氏の会見に気付き、社会部デスクに『ニュースに入れられるか』と尋ねた。しかし、社会部として会見を把握していなかったため取材しておらず、出稿できなかった。その後、『news23』の編集長も社会部に『映像はないのか』と問い合わせたが『カメラを出していない』との返事だった」

   TBSでは特派員協会の会見予定を「テレビ各社の映像取材部間で共有されるファックスで把握していた」が、このファクスを確認できていなかったという。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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