メーカーは複数本を備えるのを推奨
映像で見る店員の応戦ぶりについて、さすまたの専門家は、どのように見ているのだろうか。
教育機関などと取引している、都内のさすまたメーカーでは11月27日、企画部の担当者がJ-CASTニュースの取材にこう答えた。
「さすまたは、それ自体が武器ではありません。相手1人に対して、複数人で胴体や足などを抑え込んで行動を制圧するのが基本になります。振り回したり叩いたりといった使い方は、推奨できません」
さすまたは、複数本を備えるのを推奨しており、複数人で対処する方がより安全だという。
「1対1ですと、さすまたを取られてしまう危険があります。相手がU字の部分を両手で持ってしまうと、手元の1本よりも力が強くなるからです。相手が同じ体格なら、1人では対処できません」
相手が複数いる場合は、複数人でもさすまたに効力があるか疑問だとした。店の入口が1人ずつしか入って来られない構造になっているときなどなら、対処できるかもしれないという。
今回は、体格のいい男性店員だったことが、犯人たちに脅威になったとの見方を示した。
「武術の経験があれば、1対1で対処できるケースがあるかもしれません。それでも、犯人たちが店内に入ってこないように威嚇するならともかく、追いかけ回してしまうのはどうかなと思います。犯人たちが逃げたため、被害がなかったとも考えられます」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
(追記:2023年11月28日11時30分)記事の一部を修正しました。