「プロパーしか役職就けない」もう古い?「管理職の求人・転職」が増加 人材不足、デジタル化...背景を紐解く

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「社内にない知見を社外から持ってきてくれる」

   NECが管理職を含むキャリア採用に力を入れるのは、前述の通り「多様性の向上」を目的にしている。大橋氏は「多様性のある場所からイノベーションを起こしていくために、我々はいま採用活動を全力で行っています」と話す。

   内閣府が19年に発表した「経済財政報告」では、人材の多様性を性別や国籍、年齢、働き方、キャリア、障害などの属性から分析し、「新しいアイデアの創出やイノベーションが起こり、企業業績や生産性にプラスの効果が期待される」とメリットを挙げた。一方、従業員間のコミュニケーションコストが高まるなどのデメリットも考えられるという。

   NECはキャリア採用のメリット・デメリットをどう考えているのか。大橋氏は「まずデメリットはない」と断言する。管理職を含めたキャリア採用者が組織に与える影響を次のように説明する。

「新卒・キャリア採用問わず、社外から人が入ってくれば事前に把握し切れないことは当然あります。それがリスクだと言われればそうかもしれないのですが、リスクとだけ捉えるならば、やっぱりイノベーションを起こすことは難しいと思います」

   一方、キャリア採用のメリットは「社内にない知見を社外から持ってきてくれる」ことだと指摘。既存の社員に与える刺激も大きく、NECでは従来は「キャリア形成については会社から与えられるもの」という考えが少なくなかったが、最近では「自分の手でキャリアを作っていくんだ」という意識が生まれてきたという。

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