労働者も「変わっていかなきゃいけない」
退職時の全消化をめぐっては、労働者の意識改革も呼びかける。
「日本は夏休みや有給を取るときに『ご迷惑をおかけしますけれど長期休暇を取らせていただきます』と自分が悪いことをしているような言い方をしないと、休みのひとつも取れない文化、社会的規範になっている。
全くおかしな話です。休みを取ることでリフレッシュして、仕事をより頑張れると本人も思えれば、もっと堂々と有給を取れるはずです。従業員もこれからは変わっていかないといけない。若い方々ほどそうした考えが強くなっており、昔の常識は崩れつつあると思います」
鶴光太郎さん プロフィール
つる・こうたろう オックスフォード大学大学院経済学研究科で博士号を取得。慶應義塾大学大学院商学研究科・教授。専門は比較制度分析、組織と制度の経済学、雇用システム。「日本の会社のための人事の経済学」(日本経済新聞出版)など著書多数。