解決の道はジョブ型かつ「オーバーラップ」
鶴氏は、有給消化や長時間労働の問題を解消するため、ジョブ型への移行を提唱する。一方で特定の人への負担を解消していくのも重要で、分担を明確にするのと同時に、不在時に他の人が仕事を引き継げる状態(オーバーラップ)にする工夫が必要とした。
そのためには、「デジタルを使うという事に尽きる。情報の共有を日ごろからしっかりやっていく」。今はクラウドなどのテクノロジーを用いて多くの情報を集約可能で、仕事もプロセスも共有しやすいとし、企業によるシステム化を促す。
コロナ禍ではリモートワークの導入が進んだ。「『職場にいなければいけない』というこれまでの考え方がずいぶん打ち破られてきている」と鶴氏は分析している。若者にも、オフィスワーカーであればリモートあるいはハイブリッドの導入された自由な働き方が望まれている状況だとする。
結果として、職場にいないことを許容する仕組みや意識が、相乗的に浸透してくるとの見立てだ。
「リモートの話と年休消化が別次元の話とは思っていません。経験することで『案外やれるじゃないか』と気づきがあれば、年休消化していっても、例えばどうしても緊急の場合はITツールを駆使して今は対応できるでしょう。あまり悩まずに実施できるといえます」