退職時の「有給全消化ブロック」なぜ横行? 日本企業の悪しき慣習、解決のカギは労働者にも

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「職場に従業員がいないことを許容できない」問題

   鶴氏によると、メンバーシップ型の社会は広く言えば、「職場に従業員がいないことを許容できない仕組み」でもある。有給消化の問題だけでなく、働き方改革やウェルビーイング(心身の社会的健康)など先進的な取り組みとして進められているような副業、フレックス、リモートワークに対しても消極的という点に結びつくと指摘する。

   これらは職場にいないことを「許容する」仕組みにあたり、むしろ従業員の活性化、企業に対する愛着に繋がる部分もあるという。鶴氏は「情けは人の為ならず」と説く。

「従業員が職場にいないと何をしているか分からない、さぼっているだろうという意識が一番良くない。従業員を信頼していないということです。従業員の自律性や自発性に気持ちが及んでいない。

今、働き方として『自律』はすごく大事です。細かいことを言わなくても自分たちで意識を持って働いていくのを重視する。キャリアの自律性もそうです。そうしたところに思いが行かないと、これから企業のなかでイノベーティブな仕事、イノベーションを起こすことは出来ません。そのため、ある程度、従業員が職場にいないことを許容する仕組みを考えてほしい」
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