「発達障害ではないか」SNSで他人を決めつける危険性 専門家が警鐘...言われた相手や当事者への影響とは

必要な人が支援を受けづらくなる可能性も

   発達障害だというレッテル貼りをすることはどのような危険性があるのか。森山さんは次のように見解を示した。

「(レッテル貼りのような)考え方のクセはそれ自体が絶対的に悪いものではありませんが、思い込みが強くなりすぎると、より偏見を助長してしまう可能性はあります。言われた相手も自分自身に対してレッテル貼りをしてしまい、それによって『自分は発達障害の傾向があるからダメなんだ』と自信を低下させてしまうことにも繋がると思います」

   さらに森山さんは、「SNSでは『発達障害だからこの人はこういうことをしてしまう』というように、ネガティブな印象で広まってしまいがちです。発達障害であることで社会の中でうまくいかない面もありますが、能力を発揮できる特性を持つことも多くあります。そのことについて正しく認識されるべき」とし、SNSなどを通して偏見が広まることによる発達障害の当事者への影響について次のように説明した。

「発達障害であることをオープンにしづらくなります。もちろん、障害をクローズにして一般就労されている方もいます。それも1つの選択肢ですが、オープンにすることで、必要な配慮を受けることもできます。(生活や仕事の中で)どうしても難しい部分については、必要なサポートや支援を受けて補うことで、うまくやっていける可能性があります。オープンにしたい人にとっては、(発達障害だと)言えなくなることは辛いですね」
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