「発達障害ではないか」SNSで他人を決めつける危険性 専門家が警鐘...言われた相手や当事者への影響とは

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他人を「発達障害」と決めつけてしまうのは「レッテル貼り」

   SNSなどで他人を「発達障害の疑いがある」と決めつけて投稿してしまう心理について、森山さんは「認知行動療法という心理アプローチに基づいて考えていくと理解しやすい」とし、次のように説明した。

「1つの状況に対して、その状況をどのように考えるかは、人それぞれ異なります。例えば、コップの半分に水が入っているときに、『半分も入っている』と思うのか、それとも、『半分しか入っていない』と思うのかは人それぞれ違いますし、そのときの心理状態によっても違ってきます。認知行動療法では、人には『考え方のクセ』というものがあり、そのクセが過度にネガティブであると、気持ちが落ち込んでしまったり、自分を責めてしまったり、他者に対して攻撃的な感情が強まってしまったりと、自分を苦しめてしまうと言われています。

『考え方のクセ』にはいろいろなパターンがあるのですが、今回は『レッテル貼り』に近いのではないかと思います。明確な根拠があるわけでもないのに、ちょっとしたことを取り上げて、『あの人は発達障害だ』とか『発達障害だから仕事ができない』とか『空気が読めない』といったように、決めつけてしまうのがレッテル貼りです」

   さらに森山さんは、発達障害だと決めつけて投稿する人は、実は発達障害に関心のある人もいるのではないかという。

「おそらく、発達障害について関心があるから、発達障害の情報をいろいろとSNSで見る。そうするとタイムラインに、発達情報関連の情報が流れてきます。ますます情報が多くなるので、より思い込みが強くなるという悪循環があるような気がしています」
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