高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
岸田首相は「政教分離に反する」と言われても仕方ない...創価学会・池田大作氏追悼文の問題点

岸田首相は連立パートナーである公明党へ配慮したのだろう

   しかし、ベネディクト16世名誉教皇の場合、中国や北朝鮮を除く世界のほとんどの国の首脳が弔意を寄せている。もちろん、世界の多くの国では政教分離の原則があるにもかかわらずだ。その中で日本だけが弔意を示さなかったら、外交上問題になっただろう。つまり、ベネディクト16世名誉教皇は前例とならない。池田氏に対し世界各国の指導者から弔意が来ているのであれば、岸田首相も弔意を示すのは理解できるが、世界の指導者からの弔意はまだ明かされていないようだ。

   Xでは「内閣総理大臣 岸田文雄」としたものの、不味いと思ったのか、岸田首相が創価学会本部別館を弔問したときには「自民党総裁」としている。岸田首相は連立パートナーである公明党へ配慮したのだろう。まさに政教分離に反すると言われても仕方ないだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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